ビックロ、蔦屋家電の次は、家電不動産!?

生活に密着しながら新商品の楽しみもある家電量販店は、消費者との接触頻度が高い店舗の一つです。家電量販店と他業種がコラボレーションした店舗の第1号が、2012年に新宿に開店した「ビックロ」。家電量販店のビックカメラと、アパレルのユニクロの組み合わせです。
また、2015年には「蔦屋家電」が二子玉川にオープンしました。書店TSUTAYAと家電のおしゃれなセレクトショップが融合した店舗は、人気スポットになっています。
そして、2016年にオープンした「ONE TOP HOUSE」は、ヤマダ電機と不動産仲介・ONE TOP JAPANが相乗効果を狙う店舗です。家電量販店と異業種とのコラボレーションが進む中で登場した、不動産業とのコラボレーションについて探ってみました。

家電量販店とのコラボレーションの魅力

家電量販店とのコラボレーションの魅力は何でしょうか。ビックロを例に考えてみます。
ビックロの魅力は、家電と洋服が一緒に買えるという利便性で、外国からの観光客にも「日本のお土産ベスト2の家電と洋服が一緒に買える」と評判です。ちなみに、会計はそれぞれの積算ですが、両社とも免税対応・空港までの配送サービスなどを行っています。
また、ビックポイントでユニクロの服を買える点も、「ビックポイントの使い道の幅が広がった」と歓迎されています。
次に蔦屋家電の魅力は、ライフスタイルの提案です。家電を見て本に関心を持ったり、本を見て家電への興味を喚起されたりと、好奇心を刺激される楽しさがあります。
また、各フロアに配置された店員(コンシェルジュ)は知識とサービス精神を持ち合わせます。家電の細分化が進む中、自分に最適な家電を選ぶのが難しくなっていますが、コンシェルジュはこちらの家族構成や必要条件を聞いたうえで、それに合った商品を提案してくれます。

家電量販店+不動産の魅力

家電量販業界を牽引するヤマダ電機グループは、2011年に中堅ハウスメーカー「エス・バイ・エル」を買収し、「ヤマダ・エスバイエルホーム」として住宅事業に参入しています。狙いは「スマートハウス事業」の強化です。
スマートハウスとは、太陽光発電システムやHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)、家庭用蓄電池などを導入するエコ住宅のことです。このスマートハウス販売が、新築に伴うテレビや冷蔵庫、照明器具など家電製品の購入に大きな波及効果を与えるというビジネスモデルです。2016年2月決算で、ようやく黒字に転じたという状況です。
しかし、家と家電の組み合わせには捨てがたい魅力があります。総合不動産フランチャイズ事業のONE TOP JAPANはヤマダ電機と業務を提携し、2016年2月にLABI高崎店に「ONE TOP HOUSE」を開店しました。続いて、LABIなんば店、テックランド宇都宮店にも開店し、現在は3店舗になっています。
その他、総合スーパーのアピタ2店舗などを含め、2016年11月1日現在9店舗と増えています。さらに家電量販店やスーパーの店内で出店を進めて、2017年の夏頃までに100店舗オープンを目指すそうです。
ヤマダ電機に出店するONE TOP HOUSEの魅力は、賃貸住宅の契約時に最大1万5,000円分のポイントがもらえることです。入居者は新生活での家電購入などにポイントを充てられ、ヤマダ電機としては売り上げ増にもつながります。
そしてONE TOP HOUSE側のメリットは、ヤマダ電機の折込チラシでの告知と店頭ののぼりなどで認知度を向上させるとともに、集客が図れることです。賃貸・売買仲介の延長線上で発生する家具家電や生活雑貨の購入と、不動産会社への集客効果による連携とも言えます。
今後、同社はヤマダ・エスバイエルホームやヤマダ・ウッドハウスとも注文住宅やリフォームの分野で連携するのだそうです。「住まい探しの新しいかたちをつくりたい」(ONE TOP JAPAN社長・阪口富左雄氏)という志は、どのような形になっていくでしょうか。

不動産+αの展開

2016年10月、ファッションレンタルショップ「エアークローゼットエイブル」が東京・原宿にオープンしました。月額制のオンラインファッションレンタルサービス「エアークローゼット」が、不動産賃貸のエイブルとの共同で初めて実現した実店舗です。
エイブルが女性向けに賃貸サービスを展開していた建物を改装し、1階にはフィッティングルームとプロのスタイリストによるコーディネートフロア、2階にはコスメ・カフェスペースを設置しました。
レンタルは1日1点1,800円から。「家賃が負担で他のことにお金をかけられない女性が、ファッションレンタルでお洒落を楽しむことができないか」と考えたエイブルからの打診に、「実体験の提供をやりたいと検討していた」とエアークローゼットが快諾したことで実現した事業です。
さて、今回は不動産事業と異業種とのコラボレーション事例を紹介しました。
住宅はすべての人にとって必要不可欠です。すべての商品、サービスとつながっているとも言えます。言い換えると、不動産業と他業種のコラボレーションは、限りない可能性を秘めているということでしょう。
景気が不透明であっても、集客と客付けは相関します。相乗効果があれば投資の利回りも上がります。今後も、不動産と異業種のコラボから目が離せません。