歴史上の人物と高度利用地地価動向から振り返る23区の歴史と今 〜世田谷区〜

吉祥寺や代官山などとともに、若者の街・ファッションの街として知られる「下北沢」、メディアも取り上げる話題の飲食店が充実している「三軒茶屋」、自然を感じられ都心へのアクセスも抜群なセレブタウンへと進化を遂げた「二子玉川」。いずれも世田谷区に属しています。
首都圏の街の人気ランキングでもこれらは常に上位に名を連ねており、賃貸不動産需要が高い区として認識されている方も多いのではないでしょうか。
今回は、高度利用地の最新地価動向を記した「地価LOOKレポート」の分析結果をもとに、世田谷区の最新の地価動向と同区ゆかりの歴史上の人物を紹介します。

世田谷区の概要と地価LOOKレポート

最初に世田谷区の地域概要を見てみます。同区は、千歳烏山駅などを擁する北西部「烏山地域」、南北に環状7号線が通り、下北沢、明大前などの駅を含む北東部の「北沢地域」、大学や映画撮影所、世田谷美術館など教育・文化施設が多い西部の「砧地区」、行政の中心地ともなっている東部の「世田谷地域」、豊かな自然と閑静な住宅街が広がる二子玉川駅周辺、等々力などを含む東南部「玉川地域」の5つの地域に分けられます。
世田谷区で「地価LOOKレポート」に記載されている高度利用地は、住宅区として玉川地域の「二子玉川」のみで、東急田園都市線・東急大井町線の二子玉川駅から徒歩圏が該当箇所になります。百貨店などの商業施設や中高層マンションが建ち並び、外食や買い物にも便利。治安も良く、四季の移り変わりが感じられる川沿いの落ち着いた街であることから、個人資産家のマイホームが多い地区としても知られています。

二子玉川駅前は再開発終了後も、デベロッパー等の取得意欲が依然強く

気になる二子玉川の地価動向ですが、二子玉川駅周辺で進められていた再開発事業が完了したため、市況の過熱感は見られないものの、地域の中心的商業拠点、交流の拠点として、また、東京の西の玄関口として発展を続けていることは確かで、住宅地として屈指の人気を誇り、住宅や店舗の需要はいずれも底堅い状況が続いています。このため、開発適地や駅前商業地の土地は、デベロッパーなどによる取得意欲は引き続き強いことから、取引価格は緩やかな上昇傾向を維持、地価動向もやや上昇傾向にあると言えます。
将来の地価動向については、今後の経済状況が、やや不透明なため需要マインドは落ち気味となり、買い控えが考えられますが、デベロッパーの立地を選別した開発適地におけるマンション素地取得意欲は、将来的にも強いと予想され、やや上昇傾向が続くと予測されます。

文士町を形成した「下北沢」、交通利便性と武蔵野の残存風景が芸術家たちを呼び寄せるきっかけに

世田谷区は人口90万人近く(2016年11月現在)と、23区の中では断トツの多さを誇っていますが、この街にはどんな歴史上の人物が関わっているのでしょうか。
同区の中でも多くの作家が移り住んだ「文士町」として知られるのが下北沢です。1927年に小田急線が開通すると、翌年、近代文学の名手として名を馳せた横光利一が下北沢・池の上に引っ越してきました。自身の過ごす土地にこだわったことでも知られる横光にとって、モダンな近郊電車の小田急線に都会の香りを感じながら、武蔵野の残存風景の中で静かに執筆できる下北沢は、まさに理想的な執筆環境だったようです。
横光の居住する丘の下には、昭和の美人画家として戦後一世を風靡した東郷青児や、作家の宇野千代も住みました。また、同じ頃「日本近代詩の父」と称される詩人の萩原朔太郎も下北沢駅近くに越してきています。『堕落論』などで知られる坂口安吾は代沢小学校の代用教員を務めていたそうです。その時の経験を元に書いた小説が『風と光と二十の私』でした。
これ以外にも作詞家、作曲家、建築家、日本画家、洋画家、彫刻家、映画監督などたくさんの芸術家が居住していたと言われています。下北沢は小田急線開通後の1933年に帝都線(現・井の頭線)も開通し、鉄道がクロスする交通至便な街となります。この利便性と武蔵野の残存風景こそが文士たちの創作意欲をかき立てた最大の理由なのかもしれません。

セレブな街が抱えるジレンマ

東京を代表する住宅街を抱える世田谷区ですが、閑静な住宅街には富裕者も多く住んでいるということもあり、空き巣に狙われやすく、「自治体別刑法犯発生件数」は23区内で3位(2016年9月末時点)という不名誉な称号が与えられています。
こうした背景もあり、同区では特に警備に力を入れており、防犯の取り組みは23区内でも随一と言われています。また、ファミリー層が多いことから子供の安全面に対する意識も高く、「防犯ブザーの配布」「催涙スプレー配備」「登下校時の巡回警備」「インターホン設置」なども行われています。
世田谷区は文士町を形成するなど多くの芸術家とゆかりが深く、オシャレなスポットも多いため、一人暮らしからファミリー世帯まで幅広い層の賃貸需要が予想されますが、とはいえ、借り手が必ずつくという保証はありません。治安が悪ければ女性の一人暮らしでは敬遠されてしまいます。
同区の中でも東急大井町線「九品仏」「尾山台」エリア、小田急小田原線が通る「喜多見」エリアは、全体的に犯罪件数が少なく治安が良いとされている地域です。投資をする場合は、こういった地域の物件に的を絞り、犯罪を防げるような最新のセキュリティを備えた物件に投資することをおすすめします。
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