犯罪情報マップ普及によるアパート経営の危機!?

警視庁はじめ多くの県警が公開している「犯罪情報マップページ」を見たことがあるでしょうか。犯罪状況を地図上で可視化したサイトで、防犯目的で公開されています。
一方、近年は賃貸マンションやアパートを選ぶ際にセキュリティを重視する人が増え、物件周辺の犯罪状況も、こうしたサイトで簡単に調べられます。自分の物件の周囲で、頻繁に犯罪が発生していたとすれば、それはアパート経営における最大の危機かもしれません。今回は、犯罪情報マップの現状と、アパート経営への影響を探ります。

犯罪情報マップとは

犯罪情報マップとは、どの地点で、どのような犯罪が、どのくらい発生しているかを地図上で示したものです。地理情報システムの発達によって、数字では分かりにくい犯罪状況を「見える化」できるようになりました。
このマップは大きく3種類に分けられます。「ピンマップ」は犯罪の発生場所を特定できるので、不審者情報やひったくりなどの表示に使われます。「色分けマップ」は、区域ごとに犯罪発生数や発生率を色分けして示し、市区町村や町丁目ごとの状況の表示に使われます。「密度マップ」は、ピンマップと色分けマップの特性を組み合わせ、被害者を特定することなく犯罪多発地点を表示できます。
犯罪情報マップは各警察署で仕様が異なっていますが、2016年秋、警視庁の犯罪情報マップがリニューアルされました。これにより、2つの異なる地点の犯罪発生数などを2画面表示できるようになりました。

犯罪情報マップから治安の良い物件エリアを探す

例えば、上述のマップを使って「池袋に電車1本で行ける沿線の駅近で、治安の良いエリア」を探してみます。
まず、区市町村単位マップで「今年の全犯罪」を池袋駅中心に見ると、板橋区・新宿区は4,960件以上(赤)、北区・豊島区・練馬区は2,617~4,959件(オレンジ)、文京区は1,291~2,616件(黄色)と表示されます。次に、家賃が高めの文京区は除き、北区・豊島区・練馬区を比較します。2画面表示にし、片方のマップを犯罪別に表示していくと、「今年の侵入窃盗」では豊島区・練馬区はオレンジ、北区は黄色です。
地図への書き込み機能が追加されたので、マップに文字が書き込めて、線も引けるようになりました。もし治安の良さをアピールできる物件ならば、このマップを保存して、チラシなどでのアピールにも利用できそうです。

治安の良くない立地に建つアパートの打開策

自分のアパート・マンションがある区域の治安について、イメージだけで捉えている大家さんが少なくありませんが、この犯罪情報マップが広く普及するようになると、これを理由に、入居者に避けられる物件となってしまう危険も出てきました。物件を購入する前には、「ぼうはん日本・犯罪発生マップ」などから地域の犯罪情報マップをたどり、隣駅を含む圏内確認してみるといいかもしれません。
もし、所有物件が犯罪発生数の多い区域や、犯罪発生地点の印が集まるエリアにある場合は、どうしたら良いのでしょうか。
一個人の力だけでは、区域の犯罪発生を抑えられません。しかし建物の設備を充実させれば、「女性の一人暮らしにも安心」とセキュリティをアピールできるかもしれません。具体的には、TV付きインターフォン、室内洗濯機置場、オートロック、24時間セキュリティシステムなどです。
また、無料インターネット設備と防犯カメラをセットにした設置サービスも増えてきました。中でも注目すべきは、インターネットを利用したクラウド型防犯カメラサービスです。エントランスやゴミ置場などに設置した防犯カメラの映像を、レコーダーではなく、クラウド上のサーバに収集・蓄積するため、レコーダーの設置場所に困らず保守・故障からも解放され、リアルタイムでの状況を確認できます。
IT技術の発達によって、犯罪情報マップは犯罪の種類や頻度を視覚的に一目で確認でき、住まい探しにも役立てられるようになってきました。事故発生地点も分かるため、駅からの帰宅道の安全も調べられます。
住まいのセキュリティへの関心は高まっています。アパート・マンションのオーナーは、自分が所有する物件周辺の犯罪発生状況を客観的に確認することが賢明です。治安が良ければそれがアピール材料になりますし、治安に問題があるようであれば最新設備の導入などで物件のセキュリティを向上させるなどの対策が必要でしょう。