不動産経済研究所、11月の首都圏のマンション市場動向を発表

不動産経済研究所は2016年12月14日、2016年11月度の首都圏マンション市場動向のデータを発表し、新築マンションの発売戸数、月間契約率が2ヵ月連続で減少していることが分かりました。
今回は、各種の公表データを通して首都圏のマンション市場の現状と、今後の予測について解説します。

11月の新規発売戸数は41年ぶりの低水準に

冒頭の不動産経済研究所のデータによれば、首都圏分譲マンションの10月の新規発売戸数は2,903戸と、前年同月比で0.6%減少していることが分かりました。さらに11月の新規発売戸数は2,701戸と、2ヵ月連続で減少し、前年同月比22.7%減となりました。この11月の数字は、1975年以来の低水準になったそうです。また、11月に新規発売された100戸以上の大型新築マンションは2件のみ。前年同月の10件以上と比べても、大幅に減少しています。各月の月間発売戸数の推移を見ると、新規発売戸数が2015年を上回った月は9月のみとなりました。12月度も結果次第では、今年の首都圏分譲マンションの新規発売戸数は、2007年以来の低水準になる可能性が出ています。

首都圏の新築マンション販売価格は高止まり。契約率も減少傾向に

新規発売戸数が横ばいで全体的に減少傾向にある理由の一つは、新築マンションの販売価格の高騰でしょう。データによれば、首都圏の2016年新築マンション販売価格は、1~9月は5,500万円以上でした。10月は5,406万円、11月は5,161万円と、この2ヵ月は販売価格がダウンしたものの、高止まりの状態が定着しています。
2000~2005年、首都圏新築マンションの平均販売価格が約4,000~4,100万円であった頃と比べると、現在は1,000万円以上アップしていることになります。平均販売価格が5,000万円以上だったのはバブル末期の1992年でした。
月間契約率は、11月が62.5%となっています。10月と比べると0.9%アップしているものの、前年同月比では19.6%のダウンでした。契約率の好調・不調の目安のラインは70%といわれていますが、2016年3月以降の首都圏の新築マンションの契約率は60%台が続いているので、あまり好調とは言えない状況が続いています。11月の地域別契約率を見てみると、70%以上の成約率は神奈川県の73.7%のみで、東京都下と埼玉県は50%台でした。首都圏で新築マンションの販売時期を延期する不動産会社も増えており、結果として新規販売戸数の減少につながっていると考えられます。

中古マンション市場は好調。新規登録件数、成約平均価格ともに上昇が続く

新築マンションの需要が減少傾向にある中、中古マンションは好調を維持しています。土地総合情報ライブラリーが発表したデータによれば、10月の首都圏中古マンションの成約平均価格は3,136万円です。46ヵ月連続で前年同月比を上回りました。新規登録件数は1万168件で、こちらも20ヵ月連続で前年同月比を上回っています。
東日本不動産流通機構の月齢速報によると、10月には首都圏の1都3県全エリアで、成約件数がアップしていることが分かっています。特に東京都区部の中古マンションの成約件数は1,367件と最も高く、前年同月比を7ヵ月連続で上回りました。

新築マンション価格の高止まり傾向は継続の見込み

新築マンションの販売価格の高止まりは、2017年も継続するかもしれません。
建設が始まった新国立競技場などを筆頭に、来年からはオリンピックへ向けた建設準備が本格化します。建設費の高騰が見込まれることから、販売価格を高くせざるを得ない状況です。都心部などでマンション用地の取得が難しくなっていることからも、2017年に新規発売戸数が増加したり、定期的に大型物件が販売されたりする可能性は低いとみられます。
さて、今回は不動産経済研究所公表のデータを中心に、首都圏のマンション市場についてみてきました。価格の高止まりが続く首都圏の新築マンションを避けて、割安な中古マンションの購入を考える消費者が多い傾向にあることが分かります。
その一方で、例えば平均販売価格7,194万円で2016年10月に登録販売が開始された品川エリアの新築マンションは、即日完売しています。不動産投資家は、こうした市場動向を追いながら、綿密な投資戦略を立案したいところです。