「ノンリコースローン」とは一体どのようなローン?そのメリットに迫る!

皆さんは「ノンリコースローン」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
不動産経営を行う個人投資家の間で、利用を検討する人が増えている注目のローンです。そこで今回は、ノンリコースローンと一般向けアパートローンとの違いや、そのメリット、デメリットについて考えてみましょう。

ノンリコースローンの特徴

ノンリコースローンは英語で「non-recourse debt」と書きます。読んで字のごとく、「リコース」されないローンを指します。リコース(recourse)とは、日本語で「遡及(さかのぼる)」という意味で、そのため、ノンリコースローンは「非遡及型融資」とも呼ばれています。
もしローンの返済が滞ってしまった時は、債務者が、その債務の返済のために物件を売却し、その売却代金で返済を行うことになります。「物件を売却しても、債務が返済しきれない」という「オーバーローン」状態に陥ってしまったとしても、債務者の返済義務は無くならず、何らかの方法で残ったローンを返済しなくてはなりません。
一方、ノンリコースローンは、「債務者がローンを返済しきれなくなった場合、対象物件を売却すれば、それ以上の債務は残らない(遡及しない)」というローンです。日本では、まだ一般の投資家にまで波及していませんが、アメリカなどでは一般的なローンの形態であり、住宅ローンでもノンリコースローンでの融資が多くなっています。
金融機関が融資を実行する際に、最も重視するのは債務者の返済能力です。資産が多くても安定収入のない人間が融資を受けにくいのは、収入がなくなれば返済が滞るリスクが高いとみなされるからです。しかし、ノンリコースローンの場合、融資の判断基準は物件そのものが生み出す収益力です。金融機関は、その物件に対して融資を行うということなのです。

ノンリコースローンのメリット

それでは、ノンリコースローンが投資家にとって有利なのはどのような点でしょうか。
ノンリコースローンでは、物件を売却すれば、それ以上のローン返済義務はなくなります。何らかの理由で不動産経営の計画が狂い、万が一、ローン返済が難しくなっても、売却によって債務を免れることができれば、その後、事業の建て直しも可能です。それも通常のローン処理の一部として取り扱われるため、ブラックリストに掲載されることもありません。これは投資家にとって、大きなメリットと言えるでしょう。
投資家にとって、オーバーローン状態に陥るのは、何としても避けたいところですが、ノンリコースローンを利用できれば、その最大の恐怖は避けられます。失敗を恐れずに投資に乗り出しやすくなるでしょう。
また、ローンの利用にあたり、債務者の返済能力が問われにくいので、それほど収入が高くない人でも利用しやすくなっています。若年の不動産投資家にとっては、大いに検討する価値があるローンと言えるのではないでしょうか。

ノンリコースローンのデメリットや注意点

こうしたノンリコースローンにも、もちろんデメリットは存在します。一つは、投資物件に対する審査基準が非常に高いものになっている点です。
上述の通り、個人の返済能力がそれほど問われないということは、金融機関は、物件のキャッシュフロー、つまりローン返済資金を生み出す能力を、厳しく審査することになるということです。需要の少ない過疎地にあったり、駅から離れていたりするような物件では、なかなかノンリコースローンは組めないでしょう。逆に、「駅近の土地を所有しており、そこに賃貸アパートを建てるための資金が欲しい」というようなケースであれば、融資は受けやすくなるはずです。
もう一つの注意点は、ローン金利が高くなる傾向にあることです。金融機関としては貸し倒れリスクを抑えるために、金利にプレミアムをのせるわけです。ですので、返済はそれなりにシビアになると認識しておきましょう。
なお、現在、個人向けにノンリコースローンの融資を行っている銀行はまだ限られています。東京スター銀行やオリックスは、自社のノンリコースローンについてホームページに紹介していますが、金利などは掲載されておらず、物件に応じて決定しているようです。収益が確実に計算できる物件でなければ融資は難しいため、物件選びと事業計画がポイントといえるかもしれません。
今回はノンリコースローンの概要や、そのメリット、デメリットについて紹介しました。
現状はまだ、個人投資家がアパートなどの購入にノンリコースローンを利用するためのハードルは高いかもしれません。しかし、マイナス金利の影響で全体的なローン金利が低下している昨今、金利が高めとされるノンリコースローンの金利負担も減少傾向にあるようです。不動産の資産価値が高いことが前提になりますが、都心部での投資物件購入に、ノンリコースローンが気軽に利用できるような日が来るのも、そう遠くないかもしれません。