BRTに高層マンション…東京・湾岸エリアの未来予想図

2020年のオリンピック開催を契機に、東京は国際都市としての存在感を一段と高めようとしています。現在、再開発やインフラ整備が進んでいるのが、勝どき・晴海・豊洲などの臨界副都心(いわゆる湾岸エリア)です。
これから東京は、どのような変貌を遂げてゆくのでしょうか。湾岸エリアの再開発事業にスポットを当てて、その未来予想図を描いてみましょう。

2019年、都心と臨海副都心を結ぶ最新インフラ「BRT」が開通

湾岸エリア開発の目玉の一つとして注目されているのが、BRT(バス高速輸送システム)です。これは東京都が、京成バスと事業化に向けて検討を重ねてきたもので、2016年4月4日、その具体的な事業計画が公表されました。
近年、発展が目覚ましい湾岸エリアですが、都心への交通アクセスの不便さは、かねてより指摘されていました。環状2号線は開通しますが、都心に直通する鉄道がない現状は林立するタワーマンションの住民にとって、決して十分とはいえません。
そこで東京都は、交通事情の解消を目指してBRTの導入検討を始めました。基本方針の策定(2014年8月)から約1年半という短期間で、事業計画の公表に至っていることからも、その必要性・重要性の高さがうかがえます。
通常の路線バスとBRTの大きな違いの一つは、他の交通と分離したバス専用の道路やレーンを導入していることです。これによって交通渋滞による遅延を回避でき、また、目的地までの時間を短縮できるため、高い定時運行性と高速性が実現可能となります。
本事業では4つのバス運行ルートが計画されています。
・ 幹線ルート:虎の門から市場前国際展示場駅などを通り、東京テレポート駅までを結ぶ最も長いルート
・ 勝どきルート:新橋から勝どきを結ぶ最も短いルート
・ 選手村ルート:虎の門から選手村を結ぶルート
・ 晴海・豊洲ルート:虎の門から晴海エリアを通り、豊洲駅までを結ぶルート
2019年の運行開始時は、勝どきルートと晴海・豊洲ルートが運行され、オリンピック終了後に幹線ルートが、選手村の再開発後に選手村ルートが運行される予定です。
気になる運行本数ですが、事業計画によると、勝どきルートは1時間に6便程度(600人程度の輸送力)から始めて、将来的には全線合計で5,000人毎時程度の輸送力を目指しているとのことです。また、豊洲市場や沿線マンションの需要も考慮して、5時~24時台の幅広い時間帯での運行が検討されています。
交通アクセスの問題が解消されれば、今後ますます湾岸エリアの開発が加速されるでしょう。

高層マンションが続々建設、美しく住み良い街へ

高層タワーマンションがひしめく湾岸エリアの景観は、近未来において一層広がりを見せそうです。勝どきエリアでは、大規模な高層マンション建設計画である「勝どき東地区第一種市街地再開発事業」が予定されています。
この事業は、中央区勝どき2丁目・4丁目の約3.7ヘクタールに地上58階建・45階建・29階建の高層マンション3棟(住宅戸数:約3,120戸)を建設するものです。
立地特性を生かした複合市街地、水辺環境を活かした安全かつ魅力的な環境の形成などを目的としており、屋内避難スペースや防災船着場など、さまざまな防災機能も備わる予定です。住宅地としての同エリアのステータスが一層向上することは間違いないでしょう。
総事業費は約1,656億円、2017年度から着工、10年後(2027年)に事業完了の予定です。
また、晴海エリアでは、「晴海五丁目西地区第一種市街地再開発事業」が予定されています。こちらは、オリンピック中は選手の宿泊施設となる選手村を開催後に改修し、50階建のタワーマンションほか24棟・約5,650戸の住宅を建設するというものです。
もとより晴海エリアは水辺の景観に優れた立地ですが、本事業での環境整備によって、住宅地と緑地、水辺との調和が取れた、美しい街並みが形成されると期待されています。
こちらも2017年に工事着手予定で、2019年12月には大会に必要な部分の整備が、その5年後の2024年には全事業が完了する予定です。

豊洲エリア最大規模のミクストユース開発が進行中

築地市場の豊洲移転で観光地としての発展も期待される豊洲エリアでも、「豊洲二丁目駅前地区第一種市街地再開発事業」が進行中です。
江東区豊洲シビックセンターや東京消防庁深川消防署豊洲出張所など一部はすでに竣工しており、2016年12月には、豊洲エリア最大規模の再開発「2‐1街区 AC棟」が着工しました。これはオフィス・商業・ホテルなどのミクストユースの開発を行うもので、豊洲駅や、ららぽーと豊洲、豊洲公園など既存の周辺施設と接続することで、周辺エリアとの一体性やさらなる賑わい創出を目指しています。さらに、電気・熱の供給を行うエネルギーセンターや免震装置などを設置し、災害に強い安心・安全な施設となっています。こちらの開発事業は、オリンピック開催の2020年までに全て竣工予定です。
さて、今回は湾岸エリアにおける、計画・進行中の再開発事業について取り上げました。もちろん、ここに挙げた事業がすべてではありません。未来の湾岸エリアは、ますます魅力的な街へと進化を遂げ、不動産投資家の注目を集めることでしょう。