2016年の不動産市場を振り返る、キーワードは失速と専門家の意見【シリーズ:不動産投資のお金とリスク】

日本経済は、果たして良くなっているのか、悪くなっているのか、実態がつかめない状況が続いています。2017年はアメリカのトランプ政権が発足して、期待を持っている方も多いのではないでしょうか。
2017年の話に入る前に、昨年の2016年の不動産市場について振り返ってみましょう。

第1のキーワードは失速

2016年の不動産市場のキーワードは「失速」です。この失速はピークなのか、更なる上昇に向けての小休止なのか、まだ分かりません。
2020年のオリンピックまでは好景気が続くだろうと思われていますが、その道のりはまっすぐではないようです。
不動産市場は、REITなどの①収益物件と、マンションなどの②実需物件の2つの値動きがあります。基本的に、これらの動きは連動していますが、昨年の2つの値動きは明暗を分けました。

上昇を続けたREIT市場

REITに関しては、2015年に失速しかけた時価総額でしたが、2016年に日銀のマイナス金利が導入されて以降、再び上昇する形となりました。上昇の理由は、マイナス金利によって収益物件に対する期待利回りが下がったことによります。
2016年に賃料は大きな値上りを見せていません。そのため収益物件の収入は変わらないのですが、利回りが下がったことにより、REITの時価総額は増えたのです。これはまさに日銀の思惑通りのシナリオです。

下落し始めたマンション市場

一方で、日銀の金利操作とはあまり関係のない実需のマンション価格は弱含みを見せ始めています。新築マンションの販売価格は、2015年にはバブル時のピークを越えたものの、2016年の前半は弱含みが続きました。
現場でマンション販売を行っている業界関係者の話によると、2016年の新築マンション価格は確実に値下がり始めているとのことです。
マンション価格は、タワーマンションの上層階が相続対策として使えなくなりそうになってきたこともあり、今まで売れていた億ションが売れなくなってきたことも一因です。
また2016年は2015年と比較すると円高傾向であったため、外国人投資家が日本のマーケットから引いてしまったことも重なりました。
相続対策や外国人投資家といったプラスの要素が消えてしまうと、やはり今のマンション価格は高過ぎるというのが、消費者の素直な感覚でしょう。
今、マンションの購入を検討している人は、もう少し待った方が良いかもしれません。数百万単位で価格が下がる可能性がありえますので、ここ1~2年は様子を見てもよいでしょう。

2016年の総括

2016年は、日銀がマイナス金利で無理やり価格を上げたREITに関しては、上昇が続き面目を保ちました。一方で、相続対策や外国人投資家が一掃された実需のマンション価格は失速が見え始めています。
実需は落ち込み始めているのに、REITの価格が上がっているのは、少し危険信号かもしれません。これは日銀のインフレ誘導策でREITの価格が上昇しているだけであり、実態は再びデフレになっているかもしれないからです。

第2のキーワードは専門家の意見

但し、2016年に分かったことはもう1つあります。それは「専門家」に言うことは外れるということです。イギリスのEU離脱やトランプ氏の勝利など、専門家の事前予測がことごとく外れたのが2016年でした。
専門家的に言えば、2017年は、マンション価格は引き続き下落し、REIT価格は引き続き上昇すると言ったところでしょうか。ひょっとしたら、こういう専門家の意見は、あまりあてにならないのかもしれません。

まとめ

以上、2016年の不動産市場の振り返りと、あてにならない専門家の意見を述べてみました。「人の行く裏に道あり花の山」です。2017年は専門家の意見と違うことをやるというチャレンジの年にしてみるのもよいでしょう。
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