投資初心者も検討の価値あり!『法人化』のメリットとは?

「節税のための法人化なんて、富裕層だけの話でしょ。自分には関係ないよ」と思っていませんか?実は、法人化の効果は富裕層限定ではありません。今は、不動産投資を始めたばかりの初心者でも、法人化を検討する価値が大いにある時代。実際、不動産投資家の間ではちょっとした法人化ブームが起きています。
具体的に法人化には、どんなメリットがあるのでしょうか?改めて検証してみましょう。

所得税より法人税の方がお得!?

不動産投資をするなら、個人事業として行うよりも法人を設立して行った方が、メリットが大きいと考える投資家が増えています。その最大の理由は、法人税の減税です。
2016年の税制改正で法人税の基本税率が23.4%に引き下げられ、法人住民税や事業税などを含めた法人実効税率が30%を切り、29.97%となったのです。しかも法人税は可処分所得が増えても基本税率が変わりません。さらに課税所得800万円以下の法人の場合は、15%の軽減税率が適用されるので基本税率がさらに低くなります。
 
一方、個人で不動産所得を得た場合に納める所得税には、超過累進税率が適用されていて、所得が上がれば上がるほど税率が高くなります。195万円を超える所得には課税額に応じて一定の控除も受けられますが、課税所得が1,000万円を超えると税率は35%近くになります。
つまり一定以上の収入がある場合は、個人で所得税を払うよりも法人化して法人税を支払った方が、節税効果が見込めるということです。特にサラリーマンが副業で不動産投資をする場合は、個人事業のままでは課税所得が増えた分、所得税にかかる税率が上がるため、投資による手取り額が大きく減ってしまう可能性が高いのです。

こんなにある法人化のメリット

このほかにも、法人化には次のようにさまざまなメリットがあります。4つほど具体例をあげてみます。

◆メリットその1 損益通算ができる

 法人の場合は、事業にかかる利益と損金はすべて通算できます。たとえば、不動産事業で可処分所得が多くなっても、他の事業の赤字と相殺できるので、結果として可処分所得を押さえることができます。またほかの事業の赤字を不動産所得で補てんすることもできます。
 しかし個人では、不動産賃料で得た所得を他の所得と損益通算することができません。たとえば不動産の売却で譲渡所得は賃料所得と別々に課税されてしまいます。

◆メリットその2 所得分散効果がある

 法人を設立して家族を役員にし、不動産の賃料から報酬を支払うことによって、所得を分散できます。そうすると、所有者が個人で賃料収入の全額を所得とするよりも課税額を抑えることができます。

◆メリットその3 短期売買に有利

 不動産を譲渡して利益を得ると、譲渡税が課されます。個人の場合、売却した不動産の所有期間が5年以上(長期譲渡)であれば譲渡税率は約20%ですが、5年未満(短期譲渡)の場合は、譲渡税率が約39%にも上がってしまいます。
 一方、法人の場合は保有期間の長短で税率が変わらず、5年以内に売却しても税率は約30%。つまり短期間での売却を見込んでいるのなら、法人の方が有利ということ。逆に長期間保有した上で売却するのであれば、個人の方が有利になります。

◆メリットその4 生命保険控除の制限がない

 生命保険の保険料は所得税から控除できますが、個人の場合は最大12万円(一般生命保険料・個人年金保険料・介護医療保険料各4万円)までしか、控除が認められません。一方、法人にはそのような制限がないので、法人専用の生命保険に加入すれば、その保険料の全額または一部を経費に計上することができます。
 
 このように、法人化することで不動産投資にかかる収支がコントロールしやすくなり、より大きな節税効果を期待することができるのです。ただし、法人化によるデメリットも、もちろんあります。たとえば、法人化すると個人の所得に認められる「青色申告特別控除65万円※」は受けられなくなります。また、赤字の場合でも、年7万円の「法人住民税の均等割」が課税されることも、頭に入れておく必要があります。
(※事業的規模(5棟10室以上)で不動産を賃貸する場合。これに満たない場合の控除額は10万円)

法人化の成否を決めるポイントは、これ!

では、法人化に踏み切るか否かの判断は、どのようにして行えばよいのでしょうか?この問いの答えを出すカギは、「所得金額」と「物件の条件」です。
まず、「所得金額」について。一般的には、課税所得が1,000万円以上ある人は、個人ではなく法人を設立して不動産投資をしたほうが有利だとされています。
続いて、「物件の条件」。物件の総額に占める建物の割合が高い場合は減価償却費を大きく計上できる可能性が高いので、個人のほうが法人化した場合よりも手取り額が多くなる可能性があります。投資対象の物件について、法人で投資した場合と個人で投資した場合、それぞれの税引き後の手取り額を比較し、どちらが得かを考えた上で法人化するか否かを考えるのも一案です。
法人設立自体は、そう難しいことではないので、決断さえすれば、すぐに法人化をすることができます。焦らずにまずは自分が投資している物件または投資しようとしている物件が法人化に適しているかどうか、どのタイミングで法人化すべきかをじっくり判断することが大切です。
自身で情報収集やシミュレーションをするのも良いですが、初心者には難しく、正しい判断ができないケースも考えられます。できれば、信頼できる専門家に相談して、適切なアドバイスを受けることが望ましいと言えるでしょう。
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