民泊利用は180日まで? 管理者駐在やトラブル対応などが義務化へ

グレーゾーンと言われてきた「民泊」について、政府が国会に提出する法案の概要が明らかになりました。
民泊の活用については規制を強めたいホテル・旅館業界と活用を進めたい不動産業界の間には大きな意見の相違があり、法的な扱いが最終的にどのようなものになるのか注目が集まっていましたが、今回の決議案では「民泊施設の営業日は上限180日」とするなどホテル・旅館業界に一定の配慮が示されています。
新たな方の整備により、民泊は今後どのように発展していくのか、読み解いてみます。

3月に待望の「民泊新法」が可決される?

実態が先行している民泊について、これまで国土交通省や厚生労働省、議員団体、民間団体などが、法整備を巡って調整を続けてきましたが、2017年3月上旬に閣議決定されることがこのほど決まりました。
民泊を規制する新法は「住宅宿泊事業法」と名付けられ、国土交通省により法案が提出される予定です。その後、国会での審議を経て、正式に施行が決まることになります。
これまで民泊は法的にグレーゾーンとされ、行政特別区においてのみ、旅館業法の例外として認められてきました。新法が施行されれば、国内のどの地域でも営業が可能となり、一般の住宅地などでも民泊を営むことができるようになります。

営業は最長180日 地域事情に合わせて制限も?

法制化にあたり、最大の焦点となったのは営業日数の規制でした。民泊と競合するホテル・旅館業界が上限を厳しく規制するよう求める一方、不動産業界などからは上限を定めないよう要請が出されるなど、関係団体の間でせめぎ合いが続いてきました。
3月に提出される法案では、ホテル・旅館業界に配慮して、最長180日という上限が盛り込まれることになっています。また地域の事情に合わせて、条例でより細かい設定ができるよう定められる予定です。
営業についてはこれまでの許可制から、より簡便な届出制に変更されます。従来は許可が下りにくいことから、無認可で営業する「ヤミ民泊」が横行してきましたが、新法の施行後は簡単に合法的な民泊営業ができるようになります。

放置はダメ! 責任者の駐在を義務化

新法には、施設の管理に関する細かな規定が盛り込まれます。民泊営業を行う施設には管理者が常駐することが求められます。自宅を開放するホームステイ型の民泊施設であれば家主が、管理を専門の業者に委託する場合も、管理業者が責任者を常駐させなければなりません。
その他にも、ホテルや旅館などと同じく、宿泊者名簿の作成が必須となる他、ゴミ処理等の適切な衛生管理や、近隣住民と宿泊者にトラブルが発生した際の対応などが運営者に義務づけられます。
事業として管理を請け負う業者は、国土交通省への登録が必要とされ、同省により監督されます。

仲介事業者は登録制に

新法では施設を運営する事業者とは別に、施設の紹介を行う仲介事業者についても、一定の規制を設けています。仲介事業者には観光庁への登録が義務づけられる他、利用者に対して、利用契約の内容を説明することなどが義務づけられます。
仲介事業者に対する規制には、ヤミ民泊の横行を防ぐ狙いがあり、紹介する民泊施設については新制度に基づくものであることなどを明示することも必須となります。

まとめ

民泊についてはこれまで、法的にはグレーゾーンのまま、外国人観光客が多数利用しているという実態が先行してきました。しかし、民泊新法ができたことにより、ようやく法律が現実に追いつくことになります。
施行後は自治体に届出を出すだけで、全国どこでも営業できるようになるため、営業のハードルが大きく下がります。空室率の高いアパートを所有しているオーナーにとって、民泊は今後、検討する価値がかなり大きい選択肢になりそうです。