中古住宅がきれいで安全に? 国交省が中古住宅に新しい基準を設定

質のよい中古住宅に「ブランド名」が誕生することになりそうです。中古住宅市場の活性化に向けてさまざまな施策が進められている中、国土交通省では新たに、一定の基準を満たす中古住宅について特別なブランドとして販売できるよう、体制を整備する計画を立てています。
その狙いと具体的な施策について、読み解いてみましょう。

狙いは「不安」「わからない」「汚い」の払拭

国土交通省では中古住宅の流通促進を目的に、良質な中古住宅をブランド化する方針を発表しました。同省の定めた要件を満たす中古住宅について、呼び名を決めて商標化し、国が選んだ事業団体が住宅ごとに商標を付与する、というのが制度の概要です。
中古住宅には「不安」「わからない」「汚い」などのイメージがあり、流通を阻む大きな要因となってきました。そういったマイナスイメージを払拭し、中古住宅に対する需要を喚起するのが新たな制度の目的です。
これまでは「プレミアム既存住宅」というネーミングで進める予定でしたが、「プレミアム」という用語は要件のイメージにそぐわないため、見直すこととなりました。新しいブランド名は未定です。

新耐震基準はマスト、インスペクションや保険も条件に

新ブランドの要件として、1981年に導入された新耐震基準を満たしていることは必須とされています。構造上の不具合や雨漏りについては、専門家が実施するインスペクション(住宅診断)を実施して、結果を開示するよう求めています。
また買い手の不安を払拭する手法として、既存住宅売買瑕疵保険の付保も条件とされます。この保険は売買された中古住宅に瑕疵が見つかった場合、補修にかかる費用を補償してくれるものです。建物の補修費用の他、建物の調査費用や転居や仮住まいに必要な費用なども対象となります。
中古住宅の性能や状態を開示する方法としてはさらに、新築時の情報や改修履歴などについて、可能な限り開示することが求められます。

「汚い」イメージの払拭は写真公開?

中古住宅について懸念される「汚さ」という点については、人によって感じ方が違うので、判断が難しいところです。
国土交通省では、商標を付与する事業団体に基準作りをゆだねる方針ですが、買い手が客観的に判断をしやすいよう、水回りや内装、外装などについて、現況の写真を公開するよう求める予定です。

商標を付与する団体はこれから選考

商標の付与を担う事業団体については、これから選定されることになっています。事業者に対しては国が審査や研修、指導を行う予定です。
事業者には、商標を付与した住宅に関する情報の管理と報告が求められます。取り扱った住宅の情報を記載した台帳を作成・保管し、国に対しては報告を行うことが義務づけられます。
さらに消費者からの相談に答えられるよう、窓口を設置して苦情に対応することも定められています。事業について国に報告する際には、独自に調査した消費者の満足度についてもレポートを提出することになります。

まとめ

海外に比べて、国内の中古住宅市場はまだまだ低調で、流通量も少なめです。そのことが空き家問題などにもつながっています。新たな制度の導入で、中古住宅についてのイメージが変わり、市場が活性化することが期待されています。