ITで不動産投資が変わる? 米国発リアルエステートテックとは?

将棋で人に勝ったり、人より低い事故率で車を運転したりするなど、AIの能力が近年は急速に高まっています。そんな進化著しいIT技術を取り入れることで、顧客の満足度を高める取り組みが多くの業界において広まっていますが、アメリカでは不動産取引を支援するサービスが登場しています。
中古住宅の売買活性化につながる「リアルエステートテック」とはどのようなものか、その詳細を調べてみました。

中古物件が大半を占める欧米の住宅市場

日本では長く、住宅は「スクラップ&ビルド」が基本でした。中古住宅の市場は規模が小さく、住宅市場に占める割合は14.7%(2013年)にすぎません。アメリカ90.3%(2008年)、イギリス71.1%(2008年)、フランス59.4%(2008年)などとくらべ、圧倒的に少ないのが現状です。
新築住宅にくらべ、中古住宅には「価値や状態がわかりにくい」という難点があるため条件に合う物件を探すのに手間や費用、時間がかかります。国内ではさらに情報の信憑性や流通性が低いということもあり、中古物件市場が長く低迷しているのです。

アメリカではリアルエステートテックが市場を支える

一方、中古住宅の取引が非常に活発なアメリカでは近年、「リアルエステートテック」と呼ばれるサービスが市場を支えています。「リアルエステート=不動産」、「テック=IT技術」という言葉の融合が示すとおり、不動産とITが融合した新しいサービスです。
具体的には、中古住宅売買に関連するビッグデータをITで分析、処理することにより、多くの人に対して透明性の高い大量の不動産情報を提供します。購入希望者が物件を判断するのに必要なデータが、わかりやすく的確に提供されていることが、中古住宅市場の盛況をもたらしているのです。

Zillow、Redfin、Smartzip……アメリカでは専門企業がサポート

アメリカではすでにZillow社、Redfin社、Smartzip社など複数の企業が「リアルエステートテック」を提供しており、誰でも簡単に利用することができます。いずれもアメリカの不動産データベースである「Multiple Listing Service(MLS)」などの情報を活用して、物件の資産価値や家賃、将来的な資産価値などの情報を提示してくれます。
その他にも、過去の売買歴や近隣物件が提示している価格、過去に売買が成立した価格など、投資に役立つ情報が、「リアルエステートテック」によりインターネット上で簡単に閲覧できることから、アメリカでは中古住宅売買のハードルが非常に低いのです。

国内でも進むリアルエステートテック

日本国内でも、ITを活用して不動産情報を提供する企業が登場しています。ビッグデータをもとに物件の市場価格をリアルタイムで査定したり、賃貸物件については妥当な賃料を推定したりするなどのサービスが始まっており、今後は充実が進むものとみられます。
アパート投資においても売買価格の目安を知ることができるなど、こういったサービスを利用するメリットには大きなものがあり、目が離せません。

まとめ

近年はディープラーニング技術により、AIが自立的に学習する能力を持つようになりました。それを活かしてさまざまな分野での利用が進む中、不動産においてはリアルエステートテックという形での導入がアメリカでは先行しています。
これまで不透明感が強かった中古住宅の売買において、売主・買主が知りたい情報を詳細かつタイムリーに提供してくれるものであり、市場の拡大を支援する効果は大きいと思われます。今後は日本でも導入が進むものとみられており、アパート投資においても大いに役立てられることになりそうです。