賃貸なのにDIY! コストを抑えて入居者好みのリフォームが可能に?

「壁にポスターを貼るのもNG」というケースも多い賃貸住宅で、DIYを楽しめる物件が増えています。壁面や床面のリノベーションなど、やや大がかりなリノベーションでも、DIYで行えばコストを抑えてインテリアの雰囲気をガラリと変えることができます。
最近では便利で使いやすい道具や材料が次々に登場しており、特に技術がなくても簡単にDIYを楽しむことが可能です。こうした流れを受けて、アパートを含む賃貸住宅の中にも「DIY可」とする物件が増加しています。うまく活用すれば、入居者・オーナーともにメリットの大きなトレンドとなりそうです。

趣味はお部屋? 女子にも流行中のDIY

DIY(Do It Yourself)はもともと、大工仕事が好きな一部男性の趣味でした。のこぎりや金づち、かんななどの道具を扱うのには技術や力が必要だったので、一般の人が手がけるにはややハードルが高い趣味だったのです。
ところが、最近ではずいぶん事情が変わり、「DIYが趣味」という人が増えてきました。軽量で扱いやすい電動工具や簡単に利用できる材料などが次々に登場してきたことから、「DIY女子」が流行となるなど、女性でも楽しむ人が増えています。
100円均一ショップにもさまざまな材料が並び、雑誌やインターネット上でも特集が組まれるなど、住宅系では注目度が高いトレンドの一つです。写真投稿サイトにDIYの成果を載せる人も多く、「趣味はお部屋」という人も増加しています。

クロス貼り替えや収納など、大がかりなリノベーションも

部屋の雰囲気をガラリと変えるリノベーションはDIYの中でも難易度が高く、「ある程度のベテランでなければ難しい」と考えられてきました。ところが最近では、加工しやすい資材を使って工夫すれば、技術がなくても大がかりなリノベーションが可能となっています。
たとえば壁のクロスを全部張り替えるのはたいへんですが、一部だけなら、クロスの上に重ね貼りできる壁紙を使うことで、簡単に施工することができます。壁一面を張り替えるのではなく、差し色となる壁紙「アクセントウォール」として貼り付ければ、部屋のイメージを大きく変えられます。同じく、面積の大きな床面にはタイルカーペットが便利です。パズルのように貼っていくだけで、床面を簡単にアレンジすることができます。
最近では壁面を傷つけることなく、棚などを作れる資材も登場しています。たとえば壁面に沿って柱のように立てる「突っ張り棒」を使えば、壁に釘やネジを打ち込むことなく、収納スペースを作ることができます。

賃貸で壁となっていた「原状回復義務」とは

これまでは、アパートなどの賃貸住宅でDIYを楽しむのはほとんど不可能と考えられてきました。多くの賃貸借契約には「原状回復義務」が盛り込まれており、退去の際にはもとの状態に戻すのが大前提とされてきたためです。
「壁や柱に穴を開ける」「壁紙を貼り替える」などのDIYを行うと、原状回復できなくなるため、原則禁止とされてきました。つまり、DIYを楽しむ入居者は「原状回復義務」を意識する必要があるのです。
ただし、最近では資材・部材の進化により、この義務に抵触することなく行えるDIYが増えています。前述したタイルカーペット、「突っ張り棒」を使う棚作りはいずれも、賃貸住宅で実施することができます。アクセントウォールについても、「はがせる壁紙」を利用すれば、やはりアパートに導入することが可能です。

国土交通省も推奨する「DIY可」

国土交通省では近年、賃貸住宅におけるDIYを推奨しています。古い賃貸住宅はどうしても魅力が低くなるため、空室率が上昇します。リノベーションを行えば、入居者にアピールすることができますが、そのためにはオーナーが費用を負担しなければなりません。
そこで、賃貸借契約で「DIY可」にすることで、入居者は自分好みの部屋にDIYできることから入居率の上昇が見込めるのです。費用負担や原状回復義務の範囲などについては、あらかじめ契約で定めておけば、トラブルを避けることもできます。
国土交通省もこのやり方を推奨しており、契約書の書式例をWeb上で提供しています。
参考URL:
報道発表資料:DIY型賃貸借に関する契約書式例とガイドブックを公表します – 国土交通省
http://www.mlit.go.jp/report/press/house03_hh_000104.html

まとめ

賃貸住宅におけるDIYはこれまでタブーとされてきましたが、資材など材料や道具の進化により事情が変わりつつあります。
これに即して、これまでほぼ一律に定められてきた「原状回復義務」を見直し、DIY可とすることで、入居者・オーナーともに新たなメリットが生まれ、賃貸住宅市場が活性化することも考えられるでしょう。