これからどうなる!?民泊新法による民泊の行方と収益性について

リオデジャネイロオリンピックを見て、あんなに多くの外国人が一気に日本に来て本当に大丈夫なのだろうかと思った方も多いのではないでしょうか。
そんな心配もあってか、平成29年3月に国会で民泊新法の法律案が閣議決定されました。そこで今回の記事は民泊新法によると民泊の行方と収益性ついてお伝えいたします。

住宅宿泊事業法

民泊新法と報道されている法律は、「住宅宿泊事業法」と呼ばれる法律のことを指しています。
この法律は、簡単に言うと、今まで旅館業法に反して行っていた民泊を、今後はきちんと届け出をすれば行えますという法律です。非常に大きな規制緩和と言えます。

3つの事業者分類

法律の中では、民泊にかかわる事業者を、「住宅宿泊事業者」、「住宅宿泊管理業者」、「住宅宿泊仲介業者」の3つに分けています。
住宅宿泊事業者とは、いわゆる家主です。自宅やアパート、空き家等を宿泊用として貸し出す人になります。
住宅宿泊管理業者とは、家主不在の住宅宿泊事業者から委託を受けて民泊の運営代行をする会社です。家主不在型の民泊については、今後、住宅宿泊管理業者へ委託することが義務付けられます。
住宅宿泊仲介業者とは、Airbnbのような民泊仲介サイトなどの運営事業者です。
住宅宿泊事業法では、住宅宿泊事業者は届出制、住宅宿泊管理業者と住宅宿泊仲介業者は登録制で事業を行うことができるとしています。
住宅宿泊事業者は「許可」ではなく「届出」でできるため、旅館業の許可と比べると相当ハードルが低くなったものと言えます。

住宅宿泊事業者の義務と日数制限

住宅宿泊事業者で届出を行った事業者には、宿泊部屋の衛生確保措置や騒音防止のための説明、苦情への対応、宿泊名簿の作成・備付、標識の掲示等が義務付けられています。
但し、住宅宿泊事業者が民泊を運営できるのは、年間180日という上限が決まっています。ここが最大のポイントです。年間の稼働率に換算すると、50%弱になります。
例えば都内のビジネスホテルなどは、90%以上の稼働率があるホテルが多くあります。それに比べると50%弱という稼働率は著しく低いため、民泊事業が、果たして商業ベースに乗ってくるかどうかは不明な部分です。

民泊の実態調査

住宅宿泊事業法の設立に向けて、厚生労働省は全国の民泊の実態調査※を行い、平成29年3月1日にその結果を公表しています。
その結果の中に一泊当たりの平均宿泊料の調査結果が公表されています。
宿泊料金は、①許可物件、②無許可物件、③物件特定不可・調査中等の3つの物件に分けられており、それぞれの宿泊料は以下のようになっています。
① 許可物件 16,571円
② 無許可物件 7,659円
③ 物件特定不可・調査中等 9,240円
全国平均 9,971円

収益性の検証

全国平均9,971円を用いると、仮に稼働率50%で月15日間の宿泊があった場合、月額149,565円となります。ここでは簡略化のため月の売上を150,000円とします。
このうち、費用としては以下のようなものが発生します。
① Airbnbなどの住宅宿泊仲介業者への手数料(売上の3%) 4,500円
② 住宅宿泊管理業者への委託料(売上の20%) 30,000円
③ 石鹸やシャンプー、トイレットペーパーなどの備品・消耗品費 30,000円(概算)
④ 水道光熱費 15,000円(概算)
⑤ 清掃費(3泊を5組受け入れることを想定、1回あたり5,000円) 25,000円
費用合計 104,500円

よって、1か月あたりの収益は45,500円(150,000円-104,500円)となります。仮にアパートを民泊とした場合、1部屋15日間のフル稼働で45,500円ということになります。

まとめ

家主不在型で民泊を行う場合は、収益性は少し厳しい印象です。但し、住宅宿泊事業法によって、空室アパートを使った民泊はやりやすくなります。民泊がアパート経営の救世主になるかどうかは、今後の動向に期待といったところです。
※全国民泊実態調査の結果について