知識も大切!不動産投資家が持っておきたい資格

不動産経営を行う際に投資家は不動産の貸手となります。そのため借手との権利関係として、民法の知識は最低限必要です。また、建物や土地そのものに関する知識も身に付けておきたいものです。
こうした知識の習熟度を示す、一つのステータスが「資格」です。アパートやマンション賃貸業を行うための「資格」は、特に必要とされていませんが、経営者としての信用度を高める上でも、できることなら取得しておいても損はないでしょう。今回は、不動産経営に関連性の強い資格をいくつか紹介します。

宅地建物取引士

不動産に関する資格として、最もメジャーなものが、「宅地建物取引士」(宅建)ではないでしょうか。事実、不動産関連の資格の中でも、受験生が最も多い試験となっています。
宅地建物取引業(売買や仲介などの、不動産の取引に関する業務)を営む事業者は、宅地建物取引業法(宅建業法)に基づき、国土交通大臣または都道府県知事の免許を受ける必要があります。そのためには、国土交通省令で定める数の宅地建物取引士を事業所等に置かなければならないとされています。
不動産関連の資格の中でも宅地建物取引士の資格は登竜門であり、この資格を学習することで不動産の売買や賃貸に関する常識は身に付くといえるでしょう。
資格試験の内容は、次のようなものです。
・ 土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること
・ 土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令に関すること
・ 土地及び建物についての法令上の制限に関すること
・ 宅地及び建物についての税に関する法令に関すること
・ 宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること
・ 宅地及び建物の価格の評定に関すること
・ 宅地建物取引業法及び同法の関係法令に関すること

マンション管理士

マンション管理士は、マンション管理組合の管理者や区分所有者から寄せられる組合運営や、建物構造上の問題などに関する相談に応じ、アドバイスや援助を行うことを業務としています。いわばマンション管理士は、「マンション管理のスペシャリスト」です。
マンション管理士になるためには、資格試験に合格して登録する必要があります。試験科目は、宅地建物取引士の試験と重複する部分も多いため、宅地建物取引士に合格してから受験する人も多いです。
想定されるマンション管理士試験の内容は以下のようになっています。(国土交通省ホームページより)

(1)マンションの管理に関する法令及び実務に関すること

建物の区分所有等に関する法律、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法、マンションの建替えの円滑化等に関する法律、民法(取引、契約等マンション管理に関するもの)、不動産登記法、マンション標準管理規約、マンション標準管理委託契約書、マンションの管理に関するその他の法律(建築基準法、都市計画法、消防法、住宅の品質確保の促進等に関する法律等)など

(2)管理組合の運営の円滑化に関すること

管理組合の組織と運営(集会の運営等)、管理組合の業務と役割(役員、理事会の役割等)、管理組合の苦情対応と対策、管理組合の訴訟と判例、管理組合の会計など

(3)マンションの建物及び附属施設の構造及び設備に関すること

マンションの構造・設備、長期修繕計画、建物・設備の診断、大規模修繕など

(4)マンションの管理の適正化の推進に関する法律に関すること

マンションの管理の適正化の推進に関する法律、マンション管理適正化指針など

不動産鑑定士

不動産鑑定士は、土地や建物など不動産の鑑定評価や客観的な価値要因に関する調査、不動産の利用・投資に関するアドバイスを行います。不動産会社をはじめ、金融機関やJ-REITの資産運用会社などの不動産関連部門に属して業務を行います。土地や建物の評価は不動産売買を行う上で、非常に重要な要素であり、責任の重い仕事であるといえます。
不動産鑑定士となるためには、国土交通省土地鑑定委員会が実施する不動産鑑定士試験(短答式及び論文式による試験)に合格し、かつ、一定期間の実務修習のすべての課程を修了し、さらに国土交通大臣による実務修習を終了したことの確認を受ける必要があります。なお、短答式試験に合格した場合、以後2年間の短答式試験が免除され、直接論文式試験を受けることができます。
不動産鑑定士資格試験は、司法試験や公認会計士試験と並んで、国家試験の中でも最難関といわれます。
冒頭に申し上げたように、特別な資格を所有していなくてもマンション・アパート経営は可能です。しかし、不動産は高額ですし、その経営・管理において、建物や土地、権利関係などに関する正しい知識を持たないのは少々無謀ともいえます。
不動産投資を有利に行うには、少しでも「知識武装」しておくべきでしょう。そして、願わくば紹介したような資格を取得し、不動産のプロフェッショナルとして、ワンランク上の投資家を目指してください。