タワーマンションだけではない!マンション・アパート経営の節税対策まとめ

同じタワーマンション内の住戸は、階数などを問わず、相続税評価額が一律になるという仕組みを利用した、いわゆる「タワマン節税」。ここ数年来、富裕層を中心に節税テクニックとして注目されてきました。
このタワマン節税を抑えようとする政府の新税制にも、メディアの関心が集まり、新聞や雑誌などの報道を読んだ方も多いことでしょう。ところで、このタワマン節税のほかにも、マンション・アパート経営における節税対策があるのをご存じでしょうか。

不動産所得の経費処理

まずは基本ともいえる、経費処理による節税対策です。
マンション・アパート経営で得られた不動産所得は、家賃収入から必要経費を差し引きして計算します。したがって、必要経費を多く計上するほど不動産所得を抑えることができ、結果的に所得税が節約できます。
マンション・アパート経営に関して経費として計上できる費用は、具体的には以下のようなものがあげられます。これらを経費計上するためには、領収書やレシートを保管しておく必要があります。
・ 固定資産税や都市計画税などの税金
・ 修繕費
・ 建物の減価償却費
・ マンション管理会社に対する管理費
・ 火災保険や地震保険などの損害保険料
・ 税理士に対する報酬
・ 融資を受けた借入金に対する支払利息
・ 交通費、ガソリン代

自宅家賃と持ち家の場合の経費処理

大家としてマンションやアパートの経営を行っている場合、自分の住まいの家賃や持ち家の事業使用分を経費計上することができます。
まず、自宅のうちどれだけを事業用に使っているかという「事業使用割合」を決める必要があります。この割合は、床面積を基準として決めるのが一般的です。例えば、自宅の床面積が200平方メートルで、事業に使っている部屋の面積が100平方メートルの場合、事業使用割合は50%となります。
もし大家が賃貸住宅に住んでいる場合は、家賃のうち事業使用割合分を経費計上することができます。また、持ち家に住んでいる場合、自宅に対して固定資産税や建物の減価償却費、損害保険料などの費用が発生しますが、これらの費用のうち事業使用割合を経費として計上することができます。
ある大家が自宅を次のように使っていたと仮定して、もう少し具体的な計算をみてみましょう。
・ 事務所部分:40平方メートル
・ 私用部分(リビング、寝室など):60平方メートル
・ 共有部分(トイレ、廊下など):10平方メートル

この場合、共有部分は、事務所部分と私用部分の面積比から計算します。
・ 共有部分のうちの事務所部分:10×40/(40+60)=4平方メートル
・ 共用部分のうちの私用部分:10-4=6平方メートル

したがって、自宅全体においては
・ 事務所部分:40+4=44平方メートル
・ 私用部分:60+6=66平方メートル
・ 事業使用割合:44/(44+66)=40%となります。

この40%を、上述の費用(固定資産税、減価償却費など)に乗じた分を経費計上することができます。

法人化による節税対策

個人の大家は不動産所得金額が上がるにつれて、累進課税制度により所得税の税率も引き上がります。一方で経費として計上できる項目は限定されており、ある程度事業規模が拡大して、家賃収入が増えてくると、所得金額を抑えるのには限界があります。その場合は、法人化することで節税対策を行うべきでしょう。
法人化すると、所得税ではなく法人税の対象となります。法人税は所得税より税率が低く設定されているのがメリットです。また、自宅を社宅として会社が借り上げることで、経費をより多く計上することができます。
例えば、会社が社宅として毎月の家賃を15万円に計上すれば、年間180万円の支払家賃を会社の経費に計上できます。結果として、同額の利益を抑えることができ法人税の節約となります。ただし、この場合は、月15万円なら半額の7万5,000円以上を、会社が家賃として収受する必要があります。
また、個人事業主の場合、青色申告の特別控除や専従者給与を受けられますが、サラリーマンのように給与を受ける形式が取れないために、所得税節税のメリットとなる「給与所得控除」が受けられません。
これを法人化することで、大家は役員の立場となり会社から役員報酬として給与を受け取ることになります。そうすれば給与所得控除を受けることができ、所得税の節税につながります。場合によっては、家族を役員にして給与を支給することで所得を分散することになり、より所得税の節税につながるでしょう。

固定資産税の軽減措置

固定資産税は、固定資産税評価額×1.4%で計算されますが、更地ではなく、アパートやマンション経営で利用することで、軽減することができます。
住宅用地で住宅1戸につき200平方メートルまでの部分は、固定資産税評価額が6分の1に軽減され、200平方メートル超の部分は3分の1に軽減されます。また、新築賃貸住宅の場合、120平方メートルまでの部分は固定資産税評価額が2分の1に軽減されます。一般住宅の場合、新築後3年間は、この軽減措置が適用されます。
アパート・マンション経営では、家賃収入という不労所得が得られますが、同時に所得税や固定資産税など、さまざまな税負担を考える必要があります。今回紹介した内容を参考に、上手な節税対策に努めていただければと思います。詳しくは税理士などの専門家に相談するようにしましょう。