築古ほどきつくなるアパートビジネスの厳しさを生む本当の理由とは!?【シリーズ:不動産投資のお金とリスク】

「利益が増えるのに苦しくなる」という話を聞いて理解できる人はほとんどいません。実はアパート経営は、築年数が経ち、古くなると利益が増えるのに苦しくなるというパラドックスに陥ります。
このあたりのことをきちんと理解している方は少ないのが現状です。
そこで今回の記事では、築古になるときつくなるアパート経営のビジネスモデルについて解説します。

元本返済は費用にならない

最初に1つだけ前提となる基礎知識を確認します。アパート投資にあたって借入金を利用した場合、その借入金の毎月の元本返済額は会計上の費用にはなりません。
借入金の借入が売上にならないのと同様に、借入金の返済は費用ではありません。借入金の元本返済は、税金を支払った後の当期純利益から返済します。
では、本題に入ります。

減価償却費が減る

アパート経営では、築年数が経過すると空室も増え、賃料も下がるため売上が減るというのは、誰しもイメージできるところです。
ほとんどの方は、この空室や賃料ダウンだけを見て、築古のアパート経営は苦しいと判断します。しかしながら、本当の苦しさはそこにとどまりません。
築年数が古くなると、賃料収入の他、減るものがもう1つあります。それは減価償却費です。減価償却費は会計上の費用であり、実際にキャッシュアウトされない費用です。
この減価償却費ですが、実は大きな役割を果たします。
築浅のアパートの場合、減価償却費が大きいため、会計上の費用が大きくなります。そのため利益が小さくなり所得税も低く抑えることができます。
一方で築古アパートの場合、減価償却費が小さいため、会計上の費用も小さくなります。そのため収入が減っているにも関わらず利益が増えるという現象が発生し、所得税が増えることになります。
減価償却費は設備部分が築15年程度でほぼ無くなるため、築16年目以降になると少なくなります。
さらに話は続きます。

元本返済は増える

最初に借入金の元本返済は、税金を支払った後の当期純利益から返済する点について触れました。
築古のアパートは、空室等で収入が減りますが、減価償却費も少ないため利益が増加するという現象が発生します。そのため収入が低いのに支払う税金が増えます。
また借入金を元利均等返済で返済を行うと、築年数が経つほど、元本と利息のうち元本の割合が増えていきます。利息は会計上の費用となるのですが元本は費用にはなりません。そのため築年数が経つほど元本返済額が徐々に増えることになります。

税金増加と元本返済増加のWパンチ

すると、築年数が古くなると、収入が低いのに税金が増え、さらに元本返済が追い打ちをかけるという悪循環に陥るのです。
たまに空室の多い築古アパートでも持ち続けている人がいますが、そのような人が借入金を返済しきっている人がほとんどです。
一方で、築古アパートを手放してしまう人は、借入金の返済で苦しくなっているケースがほとんどです。
築古アパートの後半戦は、減価償却費の減少によって利益が出ることにより、税金が増えキャッシュフローが悪くなります。そこからさらに元本返済を行います。
築古アパートの経営が厳しくなる本当の理由は、減価償却費の減少による税金増加と元本返済の増加にあるのです。

まとめ

以上、築古ほどきつくなるアパートビジネスの厳しさを生む本当の理由について見てきました。借入金の多い方は、築年数が浅いうちに、他の新築アパートに買い替えるなどの対策が必要となります。
アパート経営が苦しくなる前に、新築に乗り換え、物件を常に若い状態に保っておきましょう。