一戸建て、賃貸でも宅配ボックス

宅配の再配達が大きな社会問題となっています。宅配事業者にとっては大きな負担となるため、ドライバーなど人手不足が深刻化する中、有料化を模索する動きも見られるようになってきました。
この問題の解決策として注目されているのが「宅配ボックス」です。最近では一戸建てやアパートなど賃貸住宅でも導入できるものが増えており、販売台数が急増しています。

再配達が有料に? 注目される宅配問題

2017年4月、大手スーパーマーケットチェーンの西友が、インターネットスーパーで注文した商品の再配達について料金を徴収することを決めました。宅配大手のヤマト運輸も再配達の有料化を検討しており、宅配サービスの見直しが急ピッチで進められています。
一方、消費者の側に目を移すと、ポータルサイト「エキサイト」が行った「パパママの本音調査」では、33.4%が有料化に反対と回答。たとえば西友では再配達料として400円を徴収していますが、購入する商品によっては、商品代金に対して再配達料が大きな割合を占めてしまうこともあるため、再配達のコスト負担はしたくない、と考える人が少なくないようです。

人手不足・価格競争で宅配サービスは限界に

安価でスピーディーな宅配サービスはこれまで、もっぱら業者の負担に頼ることで維持されてきました。厳しい価格競争続く中、宅配業者はギリギリの経営努力を続けてきましたが、近年は共働き世帯の増加に増大する再配達率がサービス維持の大きな障壁となりつつあります。
国土交通省が発表しているデータによると、宅配される荷物のうち19.1%が再配達を要しています。また宅配便配達の走行距離のうち25%が再配達のために費やされているというデータもあります。
負担の大きな再配達が増加することにより、安価でスピーディーな宅配サービスの維持が危うくなっているのです。

戸建て・マンションでも宅配ボックス

再配達問題の対策として注目されているのが宅配ボックスです。もともとは分譲マンションに設置されることが多かったが、最近では戸建て住宅や賃貸住宅にも設置されるケースが増えています。
不在時に荷物を受け取ることができる設備で、電気式と機械式があります。配達人は荷物を入れてカギをかけ、ボックスに備えられた判を押す仕組み。メーカー各社ではさまざまな機能を持つ商品の開発が進められており、郵便受けと一体化したものや住宅の壁に埋め込んで屋内から荷物を取り出すものなど、多様なタイプが登場しています。
最近では、インターネットとリンクして、荷物が届くとメールで知らせてくれるものなどもあります。またアパート向けに安価でランニングコストのかからない(機械式)宅配ボックスもあり、平日の日中は家にいないことが多い単身者にとってはあると便利な設備として注目されはじめています。

便利な宅配ボックスだがデメリットも

宅配ボックスは、セキュリティが気になる女性の一人暮らしや子どもだけの時間が長い共働き世帯など、「在宅だが配達人と応対したくない」という世帯のニーズにもかなうものです。
非常に便利な宅配ボックスですが、デメリットもあるので、導入に当たっては注意が必要です。まず、容積に限りがあるので、受け取れる荷物の大きさや総量には限界があります。
また一般的に冷凍・冷蔵品は受け取ることができません。カギがついているとはいえ、盗難のトラブルもあります。暗号式の場合には、宅配事業者が設定した番号を不在票に記入して郵便受けに投函しますが、郵便受けから不在票を盗み出してカギを開けられたという事例が報告されています。
「肝心の暗証番号を配達員が書き忘れていったため、ボックスを開けることができない」といったトラブルも意外に多く、宅配事業者の中には、トラブルを避けるために宅配ボックスを利用しないよう、従業員に指導しているケースも見受けられます。

まとめ

住まいはこれまで、さまざまな人のニーズを受けて新たな機能を備えてきました。宅配ボックスは主に宅配事業者のニーズに応えるものだが、ひいては「安価で便利な宅配サービスを受け続けたい」という消費者側のニーズに対応する設備でもあります。今後、再配達の有料化が進めば、より多くの人にとって「住まいに導入すべき設備」となるかもしれません。