海外物件のソーシャルレンディングのリスクは?

今、注目を浴びている投資手法の一つに「ソーシャルレンディング」があります。融資を受けたい人(企業)と融資をしたい人(企業)を結ぶサービスで、投資型のクラウドファンディングと似たサービスです。高い利回りを期待できるものとして、多くの投資家から熱い視線を浴びています。
その一方で、「みんなのクレジット」というソーシャルレンディング会社が、金融庁から業務停止勧告を受けたように、運用会社の経営状態の健全性などで、問題が顕在化してきているのも事実です。
リスク分散のために、投資対象を広げようという方も多いでしょう。海外不動産の投資案件を専門とした会社もあり、海外投資でリスク分散を図る人もいるようです。今回は、海外のソーシャルレンディング案件で考えられるリスクについて検討してみましょう。

物件や事業がわかりにくい?

海外物件への投資の最も大きなリスクは、投資案件を直接見ることができない点でしょう。投資対象のことをよく知るというのは、不動産投資に限らず、株やFX、先物など、すべての投資において鉄則と言えます。
ソーシャルレンディングでは、具体的な投資先が公開されていなくても、事業内容や物件の所在地域、種類などは分かります。投資が成功する可能性や、リスクなどについて、ある程度予測することができるでしょう。例えば、不動産に興味がある人ならば、港区や中央区の物件が担保になっていれば、それが急に値下がりしたり、売却できなかったりするものではなく、安全性の高い担保だということはよく分かるはずです。
しかし、海外と国内では手に入る情報に差があります。海外の投資対象について、自分で調べることができたとしても、ある程度まででしょう。国によってはまったく情報が得られないこともあります。発展途上国の案件などの場合は、成功時のリターンは大きいですが、失敗のリスクも相応にあります。
まずはできるだけ情報の得やすいもの、実際に自分の目で確かめられるものを投資対象にすることをお勧めします。

為替変動リスクがある

海外に投資する以上、確実に絡んでくるのが為替相場です。もちろん円安になれば、円に換金した時に利幅が広がるので、為替相場の変動は一概にリスクだけとはいえませんが、円高トレンドが続くような状況では、円に替えずに、しばらく海外の通貨で持ち続けるしかない時もあります。
ソーシャルレンディングの中には、「為替ヘッジ」を運用条件に設定しているので、為替が変動しても、投資家への分配金に影響が出ないように配慮されています。「為替ヘッジ」が設定されている場合は、為替の変動リスクを直接考える必要はないでしょう。
しかし、それでも、リスクはゼロにはなりません。例えば、担保物件の評価額が、為替の変動で目減りする可能性があります。価値が1億ドルある不動産担保も、1ドル120円という円安ならば、120億円で売却できますが、1ドル90円の円高では、90億円にしかなりません。こうしたリスクは念頭に置いておきましょう。

法律的な問題や言語の壁

海外物件の情報を集める時に問題となるのは言語です。英語ならば理解できるという人は多いでしょうが、それでも日本語と比べると理解が不十分になることがあります。それ以外の言語では、さらに情報収集や情報の精査は困難でしょう。
また、日本のソーシャルレンディング会社を通じて投資をしていたとしても、海外の法律が適用されることもあります。外国の法律まで自分で調べて投資をするのは、個人規模ではかなりハードルが高いと言えます。海外への不動産投資では、現地の法律に悩まされることもあるでしょう。ソーシャルレンディングでも、そういった問題が出てくる可能性は大いにあります。投資する前に運用会社に法律面、税金面が日本とどのように違うのか、どのようなリスクがあるのかを確認してください。
発展途上国の案件では、利回り15%以上といったリターンの大きいものが少なくありません。しかし、その分リスクが大きいことも理解する必要があります。リスクの許容範囲を明確に決めて、少しずつ投資するのがいいかもしれません。
ソーシャルレンディング業界はまだ歴史も浅く、信用度の低い業者が存在すること、法的に未整備な部分があることは否定できません。大きな可能性がある市場であることは間違いありませんが、投資である以上、相応のリスクがあることも十分に認識しておきましょう。