不動産投資でキャピタルゲインの発生要因と値上がりしやすい物件を解説【シリーズ:不動産投資のお金とリスク】

収益物件でもキャピタルゲインが得られる場合があります。またキャピタルゲインは得やすい物件と得にくい物件があります。
そこで今回は収益物件のキャピタルゲインが発生する要因とキャピタルゲインを得やすい物件についてご紹介します。

自用物件と収益物件の違い

一般的に、マイホームのような自分で使う自用物件の価格は、購入時点が最も高く、その後、価格が下落していきます。
自用物件の価格は以下のような式で表されます。

自用物件の価格 = 土地価格 + 建物価格

上式の中で建物価格は築年数の経過とともに下落します。土地価格が一定と仮定した場合、建物価格が下落するため、自用物件の価格は年々下落するという仕組みです。
一方で、アパートなどの収益物件の場合、必ずしも築年数とともに価格が下落するとは限りません。収益物件の価格は、その物件の生み出す純収益と利回りとの関係で決まります。
収益物件の価格は以下のような式で表されます。

収益物件の価格 = 純収益 ÷ 利回り

上記のような式で収益価格を算出する方法は、収益還元法と呼ばれています。収益還元法では、分母の純収益が大きくなるか、分子の利回りが小さくなるかのいずれかで収益価格が上昇します。
特に、利回りは3~5%のとても小さな数字です。大きな数字を小さな数字で割るため、分子の利回りは収益価格に大きなインパクトを与えます。
例えば、100を0.04で割ると2,500ですが、100を0.05で割ると2,000となります。たった0.1の差で得られる値の数字が500(=2,500-2,000)も異なります。
もちろん、分子の純収益の増減も収益価格に影響を及ぼします。但し、家賃はそれほど大きく変動することはないため、分子の変化はほとんどありません。
そのため収益価格を上下させる最も大きな要因は分母の利回りになります。利回りの下落こそが、キャピタルゲインを発生させる最大の要因でもあるのです。

利回りが下がる原因

では利回りはどのようになったら下がるのでしょうか。
それは金利の低下です。不動産の投資利回りは、国債などの安全資産の利回りに不動産のリスクプレミアムが加味した数値で決定されます。
例えば、10年物の長期国債利回りの値が2%だった場合、不動産のリスクプレミアムが3%だとすると利回りは5%となります。
一方で、10年物の長期国債利回りの値が1%だった場合、不動産のリスクプレミアムが3%だとすると利回りは4%へ下落します。
分子の純収益が一定であれば、分子の利回りが小さくなることで、収益価格が上昇します。収益価格が上昇したタイミングで売却すれば、キャピタルゲインを得ることができます。
10年物の長期国債利回りは、日銀が公表する政策金利と連動します。現在、日銀はマイナス金利を導入しているため、収益物件の価格は、ここ数年の中では最も高いレベルにあります。

キャピタルゲインを得やすい物件

このように、金利の動きと連動して価格が多く変動する物件は、都心部の物件です。都心部の物件は、元々の利回りが低いため、わずかな利回りの動きによって価格が大きく変化します。
少し、極端な例で比較します。
利回りが11%から10%に変わった地方の物件と、利回りが4%から3%に変わった23区の物件を比較します。
分子を同じ100とした場合、利回りが11%では、100÷0.11≒909です。10%となると、100÷0.10=1,000です。その差は91となります。
一方で、分子を同じ100とした場合、利回りが4%では、100÷0.04=2,500です。3%となると、100÷0.03≒3,333です。その差はなんと833にもなります。
つまり、元々利回りの小さい都心部の物件は、わずかな金利差によって大きく価格が跳ね上がるため、キャピタルゲインが得られやすいのです。

まとめ

収益物件のキャピタルゲインが発生する要因は、金利の下落が主な要因です。またキャピタルゲインが得られやすい物件は、都心の利回りの低い物件になります。