ワンルームと1K、入居者に与える印象はどう違う【連載:初めての不動産投資物語】

◆登場人物
・タテ吉さん
年齢:43歳
職業:アパートオーナー
年収:2500万円
プロフィール:大手食品メーカーに勤務するサラリーマンだったが、アパート投資に成功して脱サラ。現在はアパート10棟を保有し、悠々自適の毎日を送っている。

・マガ男君
年齢:32歳
職業:大手食品メーカー勤務
年収:450万円
プロフィール:タテ吉さんの元後輩。会社の先行きにやや不安を感じており、不動産投資に関心を持っている。



若い単身者の方が入居するイメージが強いワンルームマンション。しかし、ワンルームと似た間取りに「1K」もあります。
実は、同じようで異なるのがこの2つの間取りです。入居者は、この違いにどのような印象を持つのでしょうか。
実は「ワンルーム」と「1K」、このふたつが与える印象の違いをついて知ることで、地域のニーズを活かした物件を作り上げることができるのです。

キッチンスペースの独立性

マガ男:ワンルームは「キッチンと部屋に仕切りがない間取り」で、1Kは「キッチンと部屋が独立しているタイプ」だということを最近知ったのですが、この2つの部屋ってどう違うのでしょうか?
タテ吉:キッチンの独立性が大きな違いだね。キッチンスペースを仕切って独立させようとすると、どうしても狭くなってしまう。料理が好きな人には物足りないかもしれないね。
マガ男:確かに、友人が遊びに来たりしているときに自分だけキッチンで作業をするのは、なんだか寂しくなりますよね。

あまり料理をしない人には狭いキッチンもあり

タテ吉:逆に「あまり料理をしない」という人にとっては、部屋の中にキッチンがあるのは落ち着かないかもね。冷蔵庫などの音が寝ているときも気になるという人もいる。
マガ男:確かに、学生時代はあまり料理をしませんでしたね。お茶を沸かしたり、インスタントラーメンを作る程度のことができればよかったなぁ。
タテ吉:そうなんだ。どちらにもニーズがあるから、オーナーがどのような人をターゲットとするかで、どの間取りを取り入れるかを変える必要があるね。

ワンルームと1Kのニーズについて

マガ男:ワンルームは仕切りがないだけに、家具を自由における感じがしますよね。キッチンも1K と比較して広いので食器棚も置きやすそう。
タテ吉:仕切りがないことで、女性は「着替えをするとき、目隠しになるものがないと不安」「トイレの音やにおいが気になるのでは?」と心配するかもしれないよ。
マガ男:あぁ、なるほど。僕はどうしても男性の目線で考えてしまいます。
タテ吉:奥さんやお子さんなど、想定する入居者に近い年齢や性別の知人の意見を聞いて、本当に納得のいく物件を設計していくといいよ。あまり心配しなくても大丈夫さ。

キッチンスペースの扱い方で部屋の印象は変わる

マガ男:間取りとしては1Kだとしても、キッチンスペースを広くとって充実させるという方法は使えるのですか?
タテ吉:もちろん可能だ。キッチンスペースの広さによっては1DK に近い間取りを実現することもできるね。逆にそれはあくまで簡素なものにして、居住スペースをできるだけ広げるという考え方もある。
マガ男:ワンルームでも、カウンター式のキッチンを作って独立性を高めるという方法も使えそうですね。

まずはニーズをつかむことが大事

マガ男:ワンルームや1Kの間取りは、特に学生に好まれる物件だと思うのですが、家賃の安さで勝負することになるのでしょうか?
タテ吉:実は、そうとも言い切れないんだ。大学入学に合わせて独り暮らしを始める学生の中には「仕送りが期待できないから、安い家賃が最優先」という人ももちろんいる。しかし、親の気持ちはそう簡単ではない。「セキュリティがしっかりしている」「学生寮のような、大人が管理してくれる物件である」ことを気にする家族も多いんだ。複雑な現代のニーズだね。
マガ男:なるほど。物件を建てるだけではなく、ニーズを満たすサービスを提供するということですね。

裕福な学生と、苦学生の二極化が進む

タテ吉:私立大学の医学部に通う学生と、苦労してアルバイトしながら大学に通っている学生では、希望する間取りや設備も違ってくるだろう?
マガ男:そうですね。それに、若い社会人が受け取る給料は不況のために下がってきています。かつては学生の皆さんが住んでいた物件を、今は若い社会人が好むという現象もありそうです。
タテ吉:物件の間取りにこだわるのも大事だけれど、まずは地域のニーズを把握すること。伝聞や過去のデータだけに頼るのではなく、一度街を歩いてみるのも良いだろう。風景を肌で感じてみることで、なにかしらの発見があるはずだ。