不動産投資で目を離してはならない指標「返済比率」の考え方

不動産投資で成功するためには、さまざまなことを考える必要があります。たいていの場合は、物件価格・立地条件・利回りなどに目が行きがちですが、そのほかにも「返済比率」という大切な指標があります。この返済比率をおろそかにすると、思うように利益が上がらず、不動産経営で苦労するかもしれないのです。そこで本稿では、不動産投資の重要な要素である「返済比率」について考えてみます。

家賃収入に対する返済額の割合

返済比率とは、簡単に言えば、所有する物件の年間家賃収入に対して、借入金の返済額が占める割合のことをいいます。例えば、一棟アパートを所有していて、毎月の家賃収入が30万円、毎月の返済額が15万円の場合、年間の家賃収入は360万円、返済額は180万円です。この場合の返済比率は50%となります。
ただし、返済比率を計算する際に設定する家賃収入は、あくまでも満室稼働の場合です。不動産投資では空室リスクが伴いますが、空室があればその期間の利益は減ります。立地など条件が良い物件であっても、空室リスクを見込んでおく必要があります。
また、不動産投資では借入金の返済以外にも経費がかかります。例えば、物件の老朽化などに伴う定期的な修繕費やリフォーム費用、固定資産税などの税金、管理会社に支払う費用なども発生します。不動産投資は思っている以上に費用がかかるものなのです。

返済比率が高すぎると危険

金融機関から融資を受ける際、融資を受ける人の属性と同じように、返済比率は重視されます。金融機関にとって、借入金の返済が滞る事態は最も避けたいことなので、これは当然と言えます。また、いくら家賃収入が高くても返済比率が高すぎると、空室がふえたときに家賃引き下げに踏み切れなかったり、不意の修繕が必要となってもお金をかけられなかったりするリスクがあります。その結果、さらに入居者が集まらなくなる悪循環に陥るかもしれません。
最悪の場合、返済に行き詰まる事態も考えられます。つまり不動産投資は、ある程度の手元資金が常に残るようにするという姿勢が大切なのです。

投資物件の返済比率をシミュレーション

ネットには、理想の返済比率としてかなり低い数字の比率が記載されておりますが、返済比率は70%程度が現実的な数字としてありますので、今後不動産投資を考えている方は、この比率に収めることを目指しましょう。
例えば、年間家賃収入が600万円(月50万円×12か月)でシミュレーションしてみます。物件を購入する際には、返済比率を想定する必要がありますので、ぜひ確認してみてください。
(条件設定)
家賃収入:600万円
空室損:60万円(空室率10%)
諸経費:60万円(月5万円)
・返済比率が70%の場合
借入金返済額:420万円(600万円×0.7) ※月35万円
利益合計:600-(420+60+60)=60万円 ※月5万円

適切な返済比率を実現させるために

望ましい返済比率を実現するためには、借入金の金額を抑えることです。そして、借入金の金額は、用意できる頭金(自己資金)で変わります。頭金が多ければ多いほど、借入金は少なくて済み、毎月の返済は軽減されます。
空室損や急な出費があっても、経営がすぐに行き詰まることはありません。もちろん、少ない自己資金でも不動産投資は始められます。しかし、返済比率という観点からは、ある程度の自己資金を準備したうえで不動産投資を始めることが、あなたを安定経営に導くと言えるのです。
不動産投資を始める時は、単純に利回りだけを考えるのではなく、借入金の返済や経費、空室リスクなどを十分に考慮した上でスタートしてください。サラリーマンの副業、新人社会人などでも取り組みやすくなった不動産投資ですが、長期的に利益を出しながら不動産経営を続けるためには、返済比率を意識しておくことが大切になってきます。