中古マンション価格の頭打ち説に反論!まだ微増する価格の理由について【シリーズ:不動産投資のお金とリスク】

2017年度に入り、中古マンションの価格に頭打ち感が見え始めています。ここ数か月は±0.5%の小幅なレンジでの変動が続いており、一部に価格は頭打ちしているという報道も見られます。
今後中古マンション価格はどうなるのか、気になるところです。そこで今回は、今後の中古マンションの値動きについて予想していきます。

価格の先行指標は取引件数

東京カンテイ(2017年6月22日付プレスリリース)によると、東京23区の中古マンション平均価格は2017年5月時点で53,170千円となっています。前月比▲0.1%とわずかに4月の平均価格を下回っており、頭打ち感が見られるという報道も見かけます。
ではこのまま徐々に下落が続くのか、もしくは回復するのか、判断の足がかりを知りたいところです。
不動産の価格の先行指標の一つとして、不動産の「取引件数」があります。取引件数が増えるとそれに遅れて価格が上昇し、取引件数が減るとそれに遅れて価格が下落します。
中古マンションの価格に関しては、新築マンションの価格や住宅ローン金利、土地価格など、様々な要因が絡み合って変動していきます。ただ、これらの変動要因の中で、最も直接的に価格に影響を与える要因は取引件数です。
取引件数による価格予想は近未来のことしか予想できませんが、数か月先の将来を教えてくれる重要な価格の先行指標になります。
そのため、今回は取引件数を用いた今後の値動き予想という最もシンプルな法則に従って中古マンションの近未来を知る方法を見ていきます。

具体的な取引件数と価格の動き方

では、具体的に取引件数と中古マンション価格の関係を見ていきましょう。
東京カンテイでは、同じく2017年6月22日に中古マンション価格と流通戸数(取引件数)を公表しています。以下より取引件数を流通戸数と表現します。
同調査では、東京23区の中古マンションの「流通戸数」は、2017年の2月は11,882戸となっています。3月は12,203戸で若干増え、4月は11,527戸で若干減っています。
一方で、同じく東京23区の中古マンションの「価格」は、2017年の2月は53,280千円となっています。3月は53,110千円で若干減り、4月は53,230千円で若干増えています。
このように、東京23区の中古マンションは、1ヵ月のタイムラグで流通戸数の後に価格が連動して増減しています。
では、2017年5月の動きを見てみます。流通戸数については11,609戸と若干増え、価格については53,170千円と若干減っています。
過去の傾向から推測すると、2017年5月時点では流通戸数が若干増えたため、1か月先である2017年6月の価格は増えることが予想されます。
ちなみに、1年前の2016年5月時点の流通戸数は10,873戸であり、2017年5月よりも736戸も少ないです。
価格に頭打ち傾向は見られるものの、流通戸数に関しては、昨年よりも全体的に増えていることが分かります。

今後はまだ微増する

年ベースでみると、流通戸数はジワジワ増えている傾向にあります。そのため、価格についても、今後もジワジワ逓増していくことが予想されます。
また、そもそも4月や5月は、毎年、流通戸数が減るタイミングの時期であるため、5月時点で平均価格が微減したことは、季節的な要因が影響していることが考えられます。
一部の報道では、中古マンション需要が鈍化しており、早めに売却することを促すような記事も見られますが、流通戸数を見る限り、中古マンション市場が失速しているとは言い難い状況です。
但し、価格の上昇はあくまでも微増であり、踊り場に差し掛かっていることは間違いありません。そのため、売却のタイミングはここ数年が勝負と言えるでしょう。

まとめ

以上、中古マンション価格がまだ微増する理由について見てきました。今後の値動きを知るのであれば、価格だけを見るのではなく、流通戸数も確認することが有効です。