不動産投資の借入の意味を再検証!借入をすると儲かるのかについて【シリーズ:不動産投資のお金とリスク】

将来の資産を作るつもりで行った不動産投資が上手くいかず、結局売却して、借金だけが残ったという話がと良くあります。
不動産投資では、住宅ローンのような感覚でフルローンを組んで投資をするのはよくよく考える必要があります。そこで今回の記事では、不動産投資で借入をすると本当に儲かるのかという点について解説いたします。

儲けるために借入をする

不動産投資では、「借入をすると儲からない」という発想ではなく、「借入をすることでもっと儲ける」という考え方をします。この考えはレバレッジ効果に基づくものです。
レバレッジ効果では、自己資金に対する利回りを向上させる効果です。そのため、不動産投資は「自己資金」はありきです。全く自己資金のないところから行う投資ではないということを認識する必要があります。
例えば、Aさんが自己資金を30,000千円持っているとします。この自己資金を全て使い、30,000千円でNOI(Net Operating Incomeの略)利回りが5%の物件を購入したとします。この時、Aさんの得られるNOIは年間で1,500千円です。
次に、Aさんが同じNOI利回り5%の100,000千円の物件を購入することを考えます。Aさんは自己資金が30,000千円しか持っていないため、70,000千円を借入して購入します。
70,000千円を2.0%の固定金利で35年間借りるとします。この場合、返済金額は年間2,782,596円です。
100,000千円の投資でNOI利回り5%だと、NOIは5,000,000円になります。さらに、ここから借入金の返済額2,782,596円を控除すると、2,217,404円の手残りになります。
手残り2,217,404円は自己資金30,000,000円に対しては約7.4%の利回りになります。
元々、全額自己資金で購入すると、5%の利回りしか得られなかったものが、借入金も併用することで自己資金に対して7.4%が得られるようになりました。
つまり同じ30,000千円というお金を使うのでも、自己資金だけだと1,500千円しか稼げませんが、借入金を使えば2,217千円も稼げることになります。これが「レバレッジ効果」です。
このため、理屈の上では自己資金だけではなく、借入金を使った方が儲かります。しかも借入金は多ければ多いほど儲かることになります。

レバレッジ理論の落とし穴

但し、これはあくまでも35年間NOIが常に一定であると言うことが前提です。アパート投資などであれば、建物が古くなってしまうため、徐々に、空室の発生や、賃料の下落等によりNOIが減少していくことが通常です。
借入金が多過ぎると、結局のところNOIから元利均等返済額を引いた手残りが、借入金をしない場合と比較して小さくなってしまうという現象が生じます。
さらにNOIと元利均等返済額が逆転してしまうと、持てば持つほどキャッシュフローのマイナスが膨らみます。この状態は逆レバレッジ効果です。逆レバレッジ効果が発生してしまうと、物件を売却せざるを得ません。

借入金と自己資金はバランスが大事

不動産投資は、築年数の経過とともにNOIがほぼ確実に下がるため、100%の借入で投資を行ってしまうと、結局のところ儲からないということになります。
一方で、自己資金100%で投資すれば、将来のNOIの下落について心配する必要はありません。レバレッジも生まれませんが、逆レバレッジも生まれません。
よって、不動産投資は自己資金と借入金をバランス良く組み合わせて投資を行うことが重要です。借入金を併用すると儲かりますが、借入し過ぎるとNOIの下落に耐えられなくなり逆に儲かりません。
近年のように、物件のNOI利回り自体が低いような場合には、ある程度、自己資金の割合を増やしておく必要があります。理想を言えば、自己資金と借入金の割合を5:5程度として投資を行うのが良いでしょう。

まとめ

以上、不動産投資の借入の意味を再検証してみました。借入は、ある程度すると儲かりますが、し過ぎると儲かりません。自己資金と借入金のバランス良く使うことをお勧めします。