アパート投資で心配な耐震性、どう考える?【連載:初めての不動産投資物語】

日本は世界有数の地震大国。国内で暮らす以上、地震のリスクは避けることができません。1995年に発生した阪神淡路大震災以降も、2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震など、大きな地震が相次いでいます。
さらに政府は首都圏直下型や南海トラフ地震についても警戒するよう呼びかけており、今日にも大きな地震に見舞われないとも限りません。アパート投資においても、物件の耐震性は大いに気になるところです。

◆登場人物
・タテ吉さん
5年前にサラリーマンをリタイヤして、今はアパート5棟を保有するオーナー。
アパート投資で年収2000万円を実現している。

・マガ男君
日々仕事に追われる若手サラリーマン。
最近、アパート投資に関心を持ち始めたばかり。


意識しておかなければいけない地震のリスク

マガ男:災害にはいろいろなものがありますけど、やっぱりいちばん怖いのは地震ですよね。台風などと違って地震はどのタイミングで、どれほどの規模のものが、どこで起きるのか、まったくわかりません。不安が大きいです。
タテ吉:日本は世界有数の地震大国だからね。世界で発生するマグニチュード6.0以上の地震の2割以上が日本で発生していると言われるほどだ。
マガ男:どうしてそんなに地震が起きるんでしょう?
タテ吉:地震は海洋プレートが大陸プレートの下に潜り込んでいくことによって発生する。その動きで押し曲げられた海洋プレートが反発する時に、大きな振動が発生するんだ。日本の近くにはユーラシアプレート、北米プレートといた大陸プレートの下にフィリピン海プレート、太平洋プレートが潜り込む境界が集中しているから、大きな地震が発生しやすいんだよ。
マガ男:ニュースで見ましたけど、30年以内に発生する確率が、首都圏直下型地震で70%程度、東南海・南海地震は60~70%もあるそうですね。
タテ吉:阪神淡路大震災や東日本大震災の状況を見てわかるとおり、大地震が発生すると、建物には大きな被害が発生しがちだ。アパート投資においてもそのリスクは意識しておくべきだろうね。

進化してきた耐震基準と耐震性能

マガ男:アパートを含め、建物には耐震基準が設定されているんですよね?
タテ吉:そのとおり。建物に求められる耐震基準はこれまで何度も改正され、より厳しいものになってきた。最新の基準は1981年に改正されたもので、通称「新耐震基準」と呼ばれている。
マガ男:それまでの基準とはどう違うんですか?
タテ吉:新耐震基準では震度7以上という激しい揺れが起きても、倒壊しない耐震性能が建物に求められている。
マガ男:その基準に応える物件は、地震の揺れに強いということですね。
タテ吉:2016年に発生した熊本地震ではそのことがはっきりと示された。熊本地震でもっとも揺れが激しかった益城町では、旧耐震基準の建物は32.1%が倒壊したが、新耐震基準の建物の倒壊率は1/4以下の7.6%にとどまったそうだ。

耐震リフォームには補助金も

タテ吉:ちなみに地震に対する強さは、建物の構造によっても異なり、RC造、鉄骨造、木造の順で地震に強いことがわかっている。
マガ男:アパートに多い木造は耐震性ではその他の工法におよばないということなんですね。
タテ吉:そうなんだけど、耐震性が心配される木造の場合には、耐震リフォームを行うという手段がある。耐震診断を受けて、問題があるとわかったら、耐震性を高めるリフォームを行うことで対応できるんだ。
マガ男:それはいいですね。でも、やっぱり費用を負担しないとダメですよね?
タテ吉:自治体によっては補助金制度が設けられているので、それを利用することができる。補助金を受給するためには耐震診断が必要だが、それを受けるのにも補助金が出るから、比較的小さな負担ですむ場合が多いよ。

火災保険につけられる地震保険

マガ男:建物の被害をカバーするものに火災保険がありますけど、地震の被害は補償されないんでしょうか?
タテ吉:加入しているのが火災保険のみの場合、地震による被害は補償の対象にはならない。さらに言うと、地震が原因で起きた火災による被害は、火災保険ではカバーされないんだ。
マガ男:揺れで破損したわけじゃなく、その後に起きた火事でアパートが被害を受けた場合も、補償されないんですか?
タテ吉:そのとおりだ。地震による被害と見なされるので、保険でカバーしたいなら、地震保険に入る必要がある。ちなみに地震保険は火災保険に付帯するもので、単独では加入できないから、注意が必要だよ。
マガ男:地震保険の保険料は物件によって違うんですか?
タテ吉:保険料は物件が建つ地域や建物構造によって異なる。耐震性や耐火性の高い建物は保険料が低めに設定されているよ。

まとめ

マガ男:あらためて教えていただいて、地震に対する備えの大切さがわかりました。
タテ吉:投資の成否はリスクヘッジで決まると言っても過言ではない。地震はいつ、どのような規模で発生するのかわからないリスクだけに、備えの有無が投資成績に直結する。建物の耐震性に注目し、保険でカバーすることにより、万全の備えを用意しておけば、投資の成功率が大きくアップするよ。