住まいがもっとエコになる!賃貸でも進むZEH化

環境への配慮が意識される昨今。住まいについてはZEH化の推進が既定路線とされています。ZEHは「Net Zero Energy House」の略で、高断熱などによりエネルギー消費を減らし、太陽光発電などの創エネと組み合わせることで、世帯の一次エネルギー消費の収支をゼロに抑えるというもの。
従来は主に一戸建てを対象として、ハウスメーカーなどによる商品開発が進んできましたが、このほど積水ハウス株式会社が賃貸住宅の建設を発表しました。

日本初のZEH賃貸住宅が誕生

大手ハウスメーカーの積水ハウスは2017年6月、石川県金沢市で日本発のZEH賃貸住宅を建設することを発表しました。2018年1月に竣工予定のこの物件には、高断熱複層ガラスや高効率エアコン、高効率ヒートポンプ給湯器、節湯水栓、LED照明などが導入されており、エネルギー消費を抑制することが計画されています。
一方、省エネによってエネルギー収支をゼロにするために、各住戸に2.4kWの太陽光発電設備を付設する予定です。日本海側に面している石川県は、国内の都道府県のなかでは日射があまり多くないエリアですが、積水ハウスは断熱と省エネによって必要な創エネ量を抑えることができるとコメントしています。

ZEH化の促進を補助金でサポート

ZEHは住まいの一次エネルギー消費と創エネにより、年間のエネルギー収支を概ねゼロにするというものです。一次エネルギー消費量とは、「空調・冷暖房」「換気」「照明」「給湯」「家電」などの設備が消費するエネルギー量を指します。
住まいの高断熱化と高効率でエネルギーを利用できる設備の導入によりエネルギー消費を抑え、太陽光発電などで消費分を賄うだけのエネルギーを作り出すのがZEHのコンセプトです。
経済産業省では、2020年までにハウスメーカーなどが建築する住まいの過半数をZEHにすることを目標としています。また2030年までには新築全戸をZEH化する予定が立てられており、住まいのゼロエネルギー化は住宅政策における大きな柱の一つとなっています。
また、ZEH化を促進するにあたっては国から支給される補助金が設定されています。対象となる住宅の要件は「申請者が居住する自宅であること」と、「ZEHと見なされる住宅性能をクリアしていること」の二つです。
対象となるのは新築だけではありません。新築建売ZEHの購入、既存住宅のZEH化についても補助金が支給されます。2017年は1戸あたり75万円が支給されることが決まっており、そのための予算も組まれています。

ZEHが入居率アップの決め手になる!

賃貸住宅のZEH化には入居率を高める効果が期待できます。
ZEHは断熱性能が高いため、冬の寒さや夏の暑さの影響を受けにくく、快適に暮らせるという特徴があります。また、エネルギー収支のトータルが理論上はゼロなので、光熱費も非常に低く抑えられます。入居者にとってこれらのメリットの魅力は大きく、家賃を相場よりも多少は高めに設定しても、高い入居率が期待できます。
また、断熱性能や創エネ性能などZEHとしての機能は比較的長く保たれるので、築古になっても物件の価値があまり落ちません。建築コストは高めですが、その分オーナーにとっては高いインカムゲインとキャピタルゲインが見込める物件といえます。
住まいの省エネ化は国が進める政策の一つであり、大きな流れとして推進されてきました。ZEHの普及はそのなかでも大きな目標とされており、建材や工法の進化や設備の技術革新により実現されます。今後の賃貸住宅においても、他の物件との差別化をはかるための選択肢の一つになるでしょう。