家を交換? ホームエクスチェンジの魅力

旅行の楽しみはさまざま。そのなかでも、未知の暮らしや文化に触れることは旅の大きな楽しみですね。住まいはその土地に住む人たちの暮らしや文化を象徴する存在です。そのため、ホテルではなく、旅先の家に泊まりたいと考える人は少なくありません。
最近ではそんなニーズの受け皿として、日本でも民泊が急速に普及しています。しかし、さらにコアな需要を満たす手法として注目されているのが「ホームエクスチェンジ」です。今回は「家を交換する」という新たな宿泊方法をご紹介します。

欧米で普及! あの大物女優主演の映画にも

ホームエクスチェンジは、旅行者が「家を交換する」ことで旅先での宿泊先を確保する仕組みのこと。日程と希望する旅先が相互に合う旅行者同士が、インターネット上でやりとりをして、一定期間住まいを交換します。欧米では古くから馴染みのある旅行スタイル。
これまでは旅先や日程の合う赤の他人を見つけるのは困難でしたが、現在はマッチングサイトの普及により、年間数万~数十万人が利用しています。2006年には、このホームエクスチェンジを扱ったキャメロン・ディアス主演の恋愛映画「ホリデイ」が人気を博したこともあり、欧米では旅行を楽しむ手法の一つとして広く知られています。

宿泊費用はなんと無料

ホームエクスチェンジを利用した旅行では、ホテルなどの宿泊施設に泊まるのではなく、一般の住居で過ごすことになります。そのため、宿泊費は無料。宿泊先の洗濯機を使って洗濯し、キッチン設備を使って食事を賄うため、普段の暮らしとコストはあまり変わりません。
海外で行われたアンケートでは、利用者の3割が旅行費用を2000ドル以上節約できたと回答しており、費用面ではかなりおトク。また、旅費の節約以外で大きなメリットとされているのが、現地人と同じ暮らしができることです。
家はその国や地域の文化を象徴する建物です。それを眺めるだけでなく、実際に使用して暮らすことができます。異文化を肌で体験できる楽しみは、ホテルなどの宿泊施設を利用する旅では味わえないものですね。
旅行期間が長いほど、宿泊費の節約額が大きくなり、異文化体験も深まります。そのため、ホームエクスチェンジは長期の旅行に適しています。

家を交換することのデメリットと注意点

メリットの多いホームエクスチェンジですが、デメリットや注意点もあります。
まず、現在、普及しているのは主に欧米であり、日本とは休暇の日程を合わせにくいという問題があります。
また、外国人に貸した場合は、文化の違いなどによって騒音などの問題が発生することが考えられます。賃貸住宅や集合住宅では入居契約や管理規約に抵触する可能性もあるため、あらかじめ確認しておいた方がよいでしょう。
マッチングサイトは情報を提供しているだけなので、家を貸したことで汚損や盗難などの被害が生じても補償してくれません。そのため、家を交換する相手がどのような人物かをしっかり見極めることが大切です。

東京五輪で需要増? 日本でも普及の可能性

海外からの旅行客が急増している日本。東京五輪が開催される2020年には、さらに多くの外国人旅行者が訪れると期待されています。その受け皿として、ホームエクスチェンジが広まるかもしれません。
ホームエクスチェンジが国内で普及すれば、地方都市にとっては独特の文化を味わってもらう機会が増えます。海外に魅力を発信するための起爆剤になる可能性もあります。
見知らぬ外国人を住まいに招き入れることには抵抗感を覚えるし、汚損や盗難などに対する懸念もあるかもしれません。しかし、地方自治体などが保障制度を設ければ、これらの不安に対するハードルを引き下げることが可能です。
賃貸物件を保有するオーナーの場合は自宅ではなく、家具、家電付きの空室を提供することもできます。あまり抵抗を感じることがなく、安全にホームエクスチェンジを楽しめます。
ホームエクスチェンジは民泊と違い、現金収入を得られるわけではありませんが、旅行好きにとっては、メリットが非常に大きい仕組みです。旅行費用の節約に加えて、「現地人になって暮らせる」という独特の魅力があるので、システムが知られるようになれば、日本でもある程度普及することが考えられます。