アパート経営者なら知っておきたい路線価の基礎知識とその実態について

国内の相続税路線価の価格が2年連続上昇しています。路線価は毎年ニュースとなりますが、そもそも路線価とは何なのか良く知らない人も多いと思います。
そこで今回は、路線価の基礎知識と、その実態についてご紹介していきます。

路線価とは

相続税路線価(以下、「路線価」)は、国税庁が相続税の算出の根拠のために、土地価格の単価を路線(前面道路)ごとに定めたものになります。
単位としては千円単位で、1㎡当たりの単価を表しています。日本で一番高い路線価は東京都中央区銀座の「鳩居堂」の前の道路に付されている値段です。
鳩居堂前の路線価は、40,320と書かれています。これは土地単価が40,320千円/㎡という意味です。坪単価に直すと133,289千円/坪となります。
路線価は土地の価格ですが、土地の時価を表しているものではありません。時価に一番近い価格は、地価公示価格です。路線価は地価公示価格の約80%の価格を目安に定められています。
また路線価には相続税路線価の他に固定資産税路線価というものも存在します。固定資産税路線価は地価公示価格の70%を目安に定められています。
例えば、近隣の地価公示が100千円/㎡で評価されていれば、相続税の路線価は80千円/㎡となります。
路線価が80千円/㎡のところで、100㎡の土地を持っている人は、その土地の相続税評価額が8,000千円になります。このように路線価は相続税や贈与税を計算する上での算定基準として用いられます。

路線価が上昇する要因

相続税路線価や固定資産税路線価は、地価公示価格と連動しています。地価公示とは、国土交通省が毎年発表する1月1日時点の時価相当額です。
地価公示価格は、周辺の取引事例や賃料等を勘案した土地が生む収益性をもとに算出されます。
そのため、周辺の取引が活発化し、土地の価格が上がれば、地価公示価格が上昇します。路線価も地価公示に連動して上昇します。つまり路線価は時価の変動とともに上下します。

路線価の実態

ところが、地価公示価格の変動が市場と完全に連動して激しくなると、相続税や固定資産税の変動も激しくなってしまいます。そうなると、税収が不安定になるという事態が発生してしまいます。
特に固定資産税は市区町村税であり、市区町村の大事な税収でもあります。そのため不動産市況によって税収が大きく変動することは避けたいという思惑があります。
そこで、地価公示の評価は行政のさじ加減が入るのが実態です。地価公示を完全に市場と連動させて変動させてしまうと、税収が不安定になってしまうためです。
例えば、銀座などは実態としてはもっと値段が高いのですが、路線価は時価より変動が相当低く抑えています。路線価は実際の土地価格の上昇よりもゆっくりと上がります。
地価公示は税金を取るための評価額であるため、実際の時価よりも上下変動が緩やかになっていという特徴があります。

今後の予想

今回の路線価では銀座の地価はバブル期超えましたが、逆に言えばバブルがはじけても急激に路線価が落ちることもありません。
バブルがはじけると、急速に市場の地価は下がりますが、路線価はゆっくりと下がっていきます。地価公示や路線価は、あくまでも税収確保のための評価額のため、市場と連動している部分と、連動していない部分を併せ持っているのです。
今後の地価動向ですが、①オリンピック終了時点か、もしくは②日銀が超低金利政策を止めた時点で反転して下がる可能性はあります。
それまでは、市場価格を反映して、路線価もジワジワ上がります。その分、相続税も上がるということを認識しておきましょう。

まとめ

以上、路線価の基礎知識と実態について見てきました。相続対策でアパート経営をしている方は、改めて自分の物件の前の路線価を確認してみてください。