投資マネーの流入が止まらない不動産市場の背景と今後の注意点について

ファンドなどの運用資金が不動産市場へ流入し続けています。その結果、国内でも不動産の高騰が止まりません。
国内の不動産価格の高騰は、どうやらオリンピックだけが原因ではないようです。そこで今回は国内の不動産市場が高騰を続ける背景についてご紹介します。

過熱する不動産市場とその背景

2017年6月に米不動産ファインドのグリーンオークがギンザシックスの区分床(8階部分)を200億円強で購入しました。また2017年4月には香港ファンドのガウキャピタルがみなとみらいセンタービルを約850億円という高値で取得しています。
一方で、国内の賃料相場は東京の一部では上昇傾向が見られるものの、まだまだ力強い上昇傾向は見られず、完全な回復基調とは言えません。
そのため、一見すると不動産価格が上昇する理由がないと思われますが、それでも世界中の投資マネーが日本の不動産市場に流れ込んでいます。
現在、日本の不動産が魅力的に見えるのは、「超低金利政策」が背景にあるためです。
物件の利回りと金利の利回りとの差をイールドギャップと言いますが、このイールドギャップが大きいほど、レバレッジ効果が高まります。リーマンショック前は東京・大手町の大型物件で2%台でしたが、現在では3%台もあり、イールドギャップは大きくなっています。
世界の投資マネーは、日本の不動産の高いイールドギャップを求めて流入してきています。

国内は物流施設開発が活発化

一方で、国内の不動産ディベロッパーは、別の動きをしています。国内ディベロッパーは日本の実情をよく理解しており、賃料がなかなか上がらないオフィスへの投資は消極的です。
現在、国内の開発で熱い市場は「倉庫」です。日本の小売市場では、実店舗の売上は苦戦しているものの、ネット販売の売上は急上昇しており、流通革命の真っただ中にいます。
ネット販売が活発化してくると、必要になってくるのが物流施設です。首都圏ではネット販売用の大型倉庫が不足しており、ディベロッパー各社が物流施設用地の確保に必死です。
三井不動産では、2019年に千葉県船橋市で大型倉庫を開業する予定です。また2019年には三菱地所が千葉県習志野市で物流施設を設けます。

今後の予想

物流施設は、工業地帯のような比較的土地代が安いところに確保されるため、昔から比較的利回りが高いというのが特徴です。
首都圏湾岸エリアの物流施設の利回りは4.5~5%程度です。東京・大手町のオフィスでは、利回り3.5~3.7%ですので、かなり高い利回りであることが分かります。
国内のディベロッパーは、外資系企業よりも、一歩も二歩も先を走っており、高い利回りの物件の開発に着手しています。
外資系のファンドにとっても、国内ディベロッパーが開発してくれた高利回りの物件は、かなりの魅力があります。国内の優良物件は、まだ外資系に食い尽くされていないという点が注目すべきところです。
そのため、今後の予想としては、次は外資系のファンドが物流施設を高値で購入していく第二弾の波が考えられます。
物流施設は、賃料の変動が少なく、空室も少ないため、オフィスや商業施設よりも収益の変動が少ないです。現在、外資のファンドマネーはオフィスに集中していますが、物流施設へ流れ込むことも、時間の問題と言えます。

注意点は金利

但し、これらの話の前提としてあるものは、「超低金利政策」であることを忘れてはいけません。金利が上がってしまえば、この膨らんだ風船は一気にパンッと破裂します。今後の不動産市場は、金利の動きに要注意です。

まとめ

以上、高騰する不動産市場の背景と注意点について見て気ました。国内の不動産市場を左右しているのは、東京オリンピックとは全く関係のない「金利」にあると言えます。