売り時はいつ? 出口戦略の考え方

■キャラクター紹介
タテ吉:5年前にサラリーマンをリタイヤして、今はアパート5棟を保有するオーナー。アパート投資で年収2000万円を実現している。
マガ男:日々仕事に追われる若手サラリーマン。最近、アパート投資に関心を持ち始めたばかり。



投資には必ず出口と入口があります。アパート投資では物件を購入するのが入口、物件を売却するのが出口です。いずれも大きなお金が動きますが、「終わりよければすべてよし」とことわざがあるように、うまく終われるかどうかで投資の成否は決まってしまいます。
いつ、なにをヒントに出口を判断すればいいのか、投資戦略に合わせて最初から予定しておくと、アパート投資の成功率が高まります。

アパート投資の成否は出口で決まる

マガ男:勉強を重ねてきて、アパート投資の始め方についてはわかってきた気がするんですけど、終わり方はどうすればいいんでしょう?
タテ吉:いわゆる投資の入口と出口の問題だね。それを考えるためにまず確認しておきたいんだけど、アパート投資の収益はどこから得られるのだったかな?
マガ男:えーと、インカムゲインである家賃収入とキャピタルゲインである売買差益がアパート投資の収益ですよね。
タテ吉:その通り。したがってその総和がプラスなら成功、マイナスなら失敗と考えることができる。つまり、家賃収入がどれだけ得られたとしても、出口戦略をしっかり立てておかないと、成功はおぼつかないと言える。

保有リスクと売却リスクの比較

マガ男:でも物件をいつ手放せばいいのかを判断するのって、すごく難しそうですよね。
タテ吉:だからいくつかの考え方を身につけて、それらをもとに判断するのがおすすめだ。たとえばそのひとつに「保有リスク」と「売却リスク」の比較がある。
マガ男:なんですか、それ?
タテ吉:わかりやすく言えば、アパートを持っていることで発生する可能性があるリスクと、売却することで発生するかもしれないリスクの大小で、売るかどうかを決めましょうということだよ。
マガ男:なるほど。物件を保有しているとインカムゲインが得られる反面、ローンの支払いや管理費、固定資産税などのコストが発生します。さらに物件の修繕リスクや空室リスクもあるか……。これが「保有リスク」というわけですね。
タテ吉:そう。逆に売却すれば、そういったリスクとは無縁になれるけど、インカムゲインが得られなくなるというリスクが発生するんだ。

市場の動きを予測して出口を見極める

マガ男:単純に物件価格が上がってきたら売る、というのもアリでしょうか?
タテ吉:もちろんだとも。それがもっとも確実に大きなキャピタルゲインを得る手段だからね。株式投資と同じで、高値で売却できればキャピタルゲインが大きくなる。ただし、不動産市場は常に動いていて、保有している物件の売却見込額も変化する。いつ売るかの判断は簡単ではない。
マガ男:状況によっては「キャピタルロスをいかに小さく抑えるか」を考える方がよいかもしれませんね。
タテ吉:キャピタルロスがインカムゲインの総和より小さければ、その投資は成功だったと言えるから、確かにそう考えることも大切だね。

もうひとつの基準となる「残債」

タテ吉:もう一つ、重要な判断基準として「残債」の問題がある。
マガ男:なるほど。ローンの支払いが進むと残債が減るので、負債を抱えることなく投資を手じまいできるということですね。
タテ吉:たとえば5000万円を金利2.0%、20年払いのローンで借り入れた場合、月々の返済額は25万2941円になる。5年後の残債は3930万6656円、返済が進む10年後は2748万9664円だ。物件の評価額が5年後も10年後も3000万円だったとすると、5年後の場合には930万円あまりの赤字を負うことになるが、10年後には252万円あまりの手残りが発生する。
マガ男:今の試算で、仮に5年後に物件を売却した場合には、家賃収入がなくなった状態で930万円もの負債を返却しなければならないということですよね。
タテ吉:そうなるのは厳しいよね。だから、5年後の売却はないと考えるのが一般的だ。

まとめ

マガ男:なにごとも「どう終わるか」というのは大事だとあらためて感じました。
タテ吉:始めたものには必ず終わりがあるが、なんとなく終わるのと、最初から終わりを想定してスタートするのとでは成功率が大きく違う。アパート投資の場合には、どのような形で終わりを決めるのか、物件を購入する前にしっかり考えておくことが大切なんだ。