アパートをブランディング!個性的なアパートを目指す

「土地余り・家余り」の時代が到来していると言われている昨今、安定した賃貸経営を行うためには、競合物件に打ち勝つ「競争力」が必須です。競争力を高めるには、もちろん立地のよさや部屋の大きさなどの要素は大きな武器になります。しかし、そのような武器は誰にでも揃えられるわけではありません。
そこで、経営者自身の工夫で賃貸物件の競争力を高めていくには、どのようなことができるのかを考える必要があります。そこで今回は、物件の「希少性=競争力」ととらえて、独自性のあるアパート作りを考えてみましょう。

ターゲティングを工夫する

物件の個性を生み出す、最もシンプルなアプローチが、「ターゲットを絞る」ということです。すなわち、入居者の年齢や性別を特定の属性に絞るのです。賃貸住宅では、あらゆる年代の人を、幅広くターゲットにすることも可能ですが、絞った方が広告戦略などを立てやすく、また、どんな設備や環境を住宅に取り込めばいいのかも考えやすくなります。
分かりやすい例として、大学が近くにあれば、その大学で初めて一人暮らしをする学生、特に女子学生をターゲットに考えてみましょう。
女子学生の家選びは、本人が「そこに住みたい」と考える以上に、両親の意向も反映されやすいのが特徴です。わが子が安心して住める場所なのか、防犯設備はどうなっているのか、できれば親として見守れるような住宅であってほしいと願うはずです。このような要望を汲み取っていきましょう。
エントランスのオートロックや宅配ボックスの設置など、見知らぬ人を住宅の玄関先に近付けないセキュリティは定番です。防犯性の高さ、セキュリティ面の充実ぶりをアピールできる部屋にしておけば、両親も安心して選ばれることでしょう。

「趣味性」を打ち出す

防犯性に優れた設備の導入について触れましたが、このような機能面だけではなく、最近では「入居者の趣味性」を個性として打ち出した賃貸住宅も増えています。
代表的なものがシェアハウスです。ペット好き、スポーツ好き、映画好きなど、趣味が似通った仲間が集うことで、住人たちの暮らしに対する満足度を高めて、かつ長く住んでもらうのが狙いです。一見マイナーな趣味でも、マニアは必ずいるものです。
その場合、設備面では、入居者たちが集まって会話を楽しめるような大きなリビングや共同で作業ができるキッチンなどを設けることになります。
そのような設備以上に重要なことがあります。管理人が、入居者たちの趣味や、愛好家たちのことをよく知っているかどうかです。付け焼き刃の知識で、「◯◯好きな人募集!」などというだけでは、なかなか人は集まってくれません。共通の趣味仲間を求めて入居してきた人も、期待していた出会いや居心地がなければ失望してしまうかもしれません。
管理人がしっかりとその趣味に対する知見を持ったうえで、入居者と面談をしてどの程度の「趣味人」なのかを確かめておくことも大切です。心から趣味を愛する人たちが集い、他のどこにもないコミュニケーションを築くことができれば、その物件から人が絶えることはないでしょう。

外観や名前を工夫して印象に残るものに

ちょっと変わったところでは、建物の外観やネーミングに趣向を凝らして、独自性を生み出した事例もあります。ある賃貸住宅では、アニメに出てくる特徴的な用語をアパートの名前に付けたところ、ネット上でも話題になり、アニメ好きから入居の申し込みが殺到、あっという間に満室になったといいます。
これはアニメの知名度あってのもので、かなり特殊な例ですが、目の付け所は参考になります。簡単なことではありませんが、アイデアにお金はかかりません。自分の頭一つで入居率を劇的に上げられるのであればじっくり考えてみる価値はあるのではないでしょうか。
さて今回はアパートの「個性の出し方」について、三つの手法を紹介しました。アパートの付加価値にはさまざまな要素があります。その中で最重要なのが「立地」です。しかし、立地で勝負できない場合もあります。それ以外の要素で、いかに入居者の満足度を上げるかも大切です。
賃貸物件のブランディングに成功すれば、築年数が経ってもきっと入居者を獲得し続けることができるでしょう。