アパート経営をするのならば、大学の立地も重要!

アパート経営の物件を選ぶ時には、物件周辺に住む人々の属性、要所へのアクセス性など、さまざまな要素を加味して決定することになるでしょう。もちろん、どのようなターゲットを想定するのかも重要になります。
もしシングル向けのアパート経営を検討しているのであれば、「付近に大学がある」という立地は、一人暮らしをする若者が多い可能性があるということで注目すべきポイントになるでしょう。
しかし、昨今の大学事情を省みて立地を考えなければ、アパート経営が頓挫してしまうこともあります。今回は「大学」という立地条件について考えてみます。

大学をあてにしすぎるとアパート経営は危険

みなさんの中にも、大学生になって一人暮らしを始めたという方は多いでしょう。地方から東京や大阪、名古屋などの三大都市圏に単身移り住む学生は、今日でも毎年数多くいます。
当然、その需要を見込んでのアパート経営は誰もが考えることです。しかし、近くに大学があるというだけで、その大学の学生が住むアパートを建てるという安直な考えは、危険といえるでしょう。
ご存じの通り、最近の少子高齢化は顕著です。子どもの数はどんどん減少し、2016年には出生数が100万人を割りました。当面の間は、年100万人以上の新入生が大学に入学します。しかし、それも長くは続かないでしょう。今後は、毎年の出生数をチェックして、数年後、十数年後の大学生の数を予測する必要がありそうです。
大学生の減少傾向に伴い、現在、すでに地方の私立大学では、学生の獲得に苦戦する状況が続いています。定員割れをしている私立大学も多く、学校の運営が難しくなっているところも出ています。今後「大学倒産時代」が訪れるかもしれません。大学のみならず、大学生の需要をあてにしていた他業種の人たちも、同じ局面に立たされることでしょう。

関東の大学も都心回帰が続いている

都心の大学は、地方の大学と比較すると、まだ学生集めがしやすい状況です。都心にある大学は高い競争率を誇っていますし、定員割れが発生したという話も少ないです。高偏差値、就職率が高いなど定評のある大学に関しては、少なくともまだ倒産という恐れを抱く必要はないでしょう。
注目すべきは、いわゆる大学の「都心回帰」です。大学側も、学生集めのために、環境を重視するようになってきています。1980年代には、郊外に広大なキャンパスを作り、学生がのびのびと過ごせる環境の大学づくりがもてはやされました。
しかし現在は都心に近い環境で、大きなタワー内にキャンパス機能を集積し、学校に通いながら都心生活も同時に満喫できるような大学に人気が集まっています。東京の多摩地区、神奈川の西部などからは、大手の私立大学が撤退し、都心に新キャンパスを造る例が続出しています。

国立大学は「場所が変わった」というケースはない

一方で、比較的キャンパスの流動性が低いのが国立大学です。国立大学も、かつてのような「国営」ではなく独立採算制となっているので、倒産しないとは限りません。しかし、その安定性は盤石と言ってもいいでしょう。
また、広大なキャンパスを有しているために、ロケーションや費用面からも移転は難しく、「国立大学が移転をした」という事例は21世紀になってから発生していません。
したがって国立大学が近くにある立地は、競合も多いでしょうが、最低限の需要が見込めるでしょう。ただし、地方の国立大学では、「一人暮らしをせずに通える範囲の大学を選ぶ」という学生も多いです。

大学のそばで一人暮らしをするとは限らない

もう一つ注意をしたいのは、必ずしも大学のすぐそばで学生たちが一人暮らしをするとは限らないということです。
大学がターミナル駅近くにあることは少なく、最寄駅が普通電車の停車駅というケースもあります。そのような場合、不便な駅周辺よりも、通学も可能でバイトや遊びにも出掛けやすいターミナル駅周辺を選ぶ学生も少なくありません。
例えば、早稲田大学の学生は、大学のある高田馬場や早稲田に住むよりも、新宿などに住んだほうが便利だと考えるかもしれないということです。
学校にいる時間が長く、バイトをしないような人(理系学部に多い)は、学校を中心に住む場所を考えます。そうでない学生は、必ずしも大学の近くで住む家を決めないという点は頭に入れておきましょう。
周辺で学生の入居を見込めるかという視点から、大学キャンパスや大学生の傾向を考えてきました。立地は、アパート経営で最も重要です。さまざまな要素を複合的に考えながら、慎重に検討しましょう。