いつやるの?賃貸物件リフォームの計画とタイミング

リフォームはアパート経営では必要不可欠です。リフォームを行う理由は、単なる家屋の修繕から、物件の魅力を長く保ち続けるというものまでさまざまです。
そこで今回は、アパート経営におけるリフォームの考え方や、収支計画によるリフォームのタイミングについて解説します。

リフォームの考え方

「リフォーム」の目的は、大きく二つあります。
・ 老朽化した建物を修復・綺麗にする
入居者が退去された後の原状回復、設備機器のメンテナンス、大規模修繕など
・ 建物の性能をさらに向上させる、価値を高める
リノベーションなど
一般的には、どちらも総称して「リフォーム」と呼ばれることが多いのですが、アパートのオーナーという立場からは、この二つの違いはしっかり見極める必要があります。

リフォーム収支計画は物件購入の判断材料として必須

しばしば、インターネットの記事や書籍で、「リフォームの金額は、家賃収入の○ヵ月分」などと紹介されていることが多いですが、アパート経営のためには、もっと綿密な収支計画が必要でしょう。
実際には、得られる家賃収入から管理費やローン返済額などの諸経費を差し引いた、税引き前キャッシュフローの何%かをリフォーム費用として考えます。クロスの貼り替えや給湯器交換、外壁塗装など、将来、修繕を行うべき時期と概算金額を見積もって、それを月数で割り、収支が赤字にならないかどうか計算します。
(例)
● リフォーム資金
月々の家賃収入-諸経費(管理費、ローン返済など)×20%×部屋数
● リフォーム予算
クロス貼り替え、給湯器、外壁塗装などの将来の修繕における概算見積/かかる月数
これで「リフォーム資金≧リフォーム予算」という計算式が成り立つ場合、物件は購入できるという判断になります。修繕の概算見積は、「5年毎に水回りの水栓金具などの部品」「10~15年毎にエアコン、給湯器交換」「15~20年毎に大規模修繕」などを目安に、交換費用を調べて決定します。
このような収支計画はリフォームを行う前ではなく、物件を購入する前に立てます。これにより、安全なアパート経営となり、リフォームを行うタイミングも迷うことなく判断ができるでしょう。

リフォームは計画通りに行う

しかし、いざアパート経営を始めると、急に給湯器が壊れたり、入退去が続きクロスの交換頻度が多くなったりと、当初想定していなかった突発的な修繕が発生するものです。
リフォーム計画はその都度修正していく必要があります。例えば、給湯器の交換を数年先に計画していたとしても、その前にエアコンの修理が発生したら、給湯器も同時に変更することで、設備費用や作業工数を抑えられるかもしれません。これも、事前にリフォーム収支計画をしっかり立てているからこそ、不測の事態に対応でき、修繕費を下げていくことが可能になるのです。

リノベーションは収益性向上のために行う

冒頭で述べた、修繕・原状回復の「リフォーム」と、物件価値向上のための「リノベーション」を混同してしまっているために、思ってもいないコストを負担させられている投資家が後を絶ちません。
例えば、中古物件を購入したところ満室にならず、管理会社から「設備投資としてTVモニターホンやネット無料回線を入れてみましょう」と提案され、その通りにしたものの、家賃はそのままにしているケースがあります。リノベーションしたことで、空室は改善されるかもしれません。しかし、家賃の値上げをせずそのままにすれば、収益性は間違いなく下がります。これはリフォームとリノベーションを混同してしまっているために起こるミスです。
このようなケースの場合、部屋の価値は以前よりも向上しているはずです。その分、家賃アップを提言し、設備投資分を回収する考え方が必要になります。家賃がアップできないなら、そもそも家賃設定が地域の相場に合っていないということになり、物件選定の段階で失敗しています。リノベーションを施して募集するよりも、家賃を下げて募集した方が収益性が高まる可能性もあります。
リノベーションの目安は、「投資する金額≦上げた月々の家賃×24ヵ月」かどうか、つまり、投資費用を2年で回収できるかで判断します。
現在の家賃収入の利益は、将来のリフォーム収支計画に盛り込まれているはずです。現在の家賃のままでは、リノベーション費用は捻出できません。物件価値を向上させる意思がある以上、それを織り込んだ家賃設定が欠かせません。

費用対効果を見極めて

リフォームは、全て事前に計画する必要があります。また、リノベーションは、物件価値向上の意識が、非常に重要となります。
日頃から物件のメンテナンスには気を配り、一方でリノベーションにつながる新しい設備は、その費用対効果を見極めて、あなたの物件がさらに魅力的になるように心がけましょう。