広がる! 「不動産のクラウドファンディング」

クラウドファンディングは目標達成のために主にインターネットを利用して広く一般の人から資金を集める仕組みです。米国生まれのこの仕組みを、不動産投資に導入する動きが活発化してきました。
これまで多額の資金を用意できる人しか手がけられなかった不動産投資を「お小遣い」程度の資金で手軽に楽ことが可能になるので、市場全体の盛り上がりにつながるという期待が高まっています。

ネットで資金を集めるクラウドファンディング

クラウドファンディングは特定のアイディアやプロジェクトを実現したい人や団体がインターネットを通じて世の中に広く呼びかけて、資金提供を受ける仕組みです。矢野経済研究所が2016年8月に発表した統計では、2012年度は71億6100万円だったのが2016年度には477億8700万円と、6倍以上に増加しています。
クラウドファンディングには寄付型、投資型、融資型、購入型があります。寄付型は集めたお金を特定の団体や個人に全額寄付するというもので、投資家に対するリターンはありません。投資型はプロジェクトや主催する個人、団体に投資して、得られた利益が配当という形でリターンされます。
融資型は出資者に対して利息という形でリターンが提供されるものです。購入型は出資者に対して、出資金を利用して作成した物やサービスでリターンするのが一般的です。近年、このクラウドファンディングを不動産投資に利用しようとする動きが活発化しています。

法改正で投資型のクラウドファンディングも

不動産投資を目的とするクラウドファンディングはこれまでもありましたが、投資家がお金を貸し付ける「融資型」がほとんどを占めていました。投資型を模索する動きはあったものの、これまでは規制が厳しく実現が難しかったためです。
2014年の金融取引法改正で、投資型クラウドファンディングに関する制度が整備されたことで、近年はそんな事情に変化が見られるようになってきました。有価証券を勧誘するためには、「金融商品取引業者」としての登録が必要だったのが、「第一種電子募集取扱業者」・「第二種電子募集取扱業者」という金融商品取引業者の類型を新たに設置されたのです。
投資型の不動産投資クラウドファンディングを市場に投入すると発表する事業者も現れています。融資型にくらべて投資型はハイリスクですが、ハイリターンを見込めると分析されており、今後は多様な不動産投資クラウドファンディングが登場するものと予想されます。

1口1万円から不動産投資が可能に

これまで不動産投資を手がけるためには最低でも数百万円単位の資金が必要であり、通常は頑張って貯金をしたり融資を受けたりして資金を調達する必要がありました。
ところがクラウドファンディングなら、1口1万円と若いサラリーマンがお小遣い程度の金額から不動産投資が可能な商品も登場しています。小口の不動産投資ファンドとしては、これまでもJリートがありましたが、こちらは1口10万円程度の資金が必要となります。
不動産投資クラウドファンディングの投資利回りは3~5%程度に設定されており、預金金利にくらべると数十倍高いのが魅力です。

個人資金流入で市場はより活性化する

1000万円を借り入れて物件を買うのは困難でも、1万円単位なら資金を用意できる人はたくさんいます。小さな資金しか持たない投資家が多数参入すれば、それだけ不動産投資市況は活性化することになります。
受け皿となる物件に対する需要が増大するため、物件価格の上昇などの好影響が期待できます。また、ある程度資金がある人にとっても、小口で分散することにより、リスクヘッジできるので、投資の安全性を高められるというメリットが生まれます。

まとめ

クラウドファンディングはインターネットを利用した新しい資金集めの方法として期待されています。本来、1件あたりの額が高額な不動産投資はクラウドファンディングに向いている投資先です。今後は地方の物件や観光地の物件など、特徴的な物件を対象とするクラウドファンディングなど、さまざまなケースで導入が見込まれます。今後の動向に注目です。