社宅事情に変化! 需要増&空き物件は民泊

経済活性化や人材不足といった事情を受けて、社宅を巡る事情に変化が見られるようになってきました。終業後も同僚や先輩と顔を見合わせるのはちょっと……というサラリーマンが増えたことや、企業の合理化を受け、一時は減少した社宅が見直され始めているのです。
人材確保のためにと社宅の需要が高まる一方、空き物件を民泊に再利用するケースも増えており、新たな展開が進んでいます。

経済活性化、人材不足で高まる社宅のニーズ

アベノミクスの影響を受け、国内経済は拡大基調が続いています。10月10日には日経平均が年初来高値を更新。2017年は半ば以降2万円台を維持しており、今後しばらくはこの基調が続くものと思われます。
経済拡大は明るいニュースですが、それを受けて深刻化しているのが人材の不足です。2017年8月の有効求人倍率は1.52と高水準を維持しています。働き手1人に対して1.5人分の求人があるため、人手不足が企業の売上増を妨げる大きな問題として意識されるようになってきました。
そんな中、社宅のニーズが高まっています。社宅の充実は従業員にとっては給与の増額と同じ意味を持つため、人材不足を解消する策の一つとして注目が集まっているのです。

内部留保、節税などでメリット

企業側から見ても、社宅の整備や導入には人材の確保に役立つ以外にもさまざまな効果が期待できます。
賃金のベースアップ分は回収できませんが、社宅は企業にとって資産の積み増しになり、実質的な内部留保と考えることが可能です。また設備投資にあたるため、減価償却分を帳簿上では経費として扱うことができます。
さらに、社宅で社員が生活をともにすることで、社員同士の交流がうながされます。仕事を教え合って成長が促進される効果や、帰属意識が高まる効果が期待できるのです。

社宅需要でアパート投資にも新たな需要

社宅の需要増はアパート投資にとっても追い風です。近年ではアパートを企業が丸ごと借り上げるケースが増えており、アパートの需要を押し上げている地域があちこちで見られるようになりました。
アパートを社宅として運営するためには、法人としての入居者管理などさまざまな業務が発生しますが、最近では社宅代行会社が増加しており、企業の代わりに借主になるケースや入居者対応等を代行するケースなどが増えています。
オーナーにとっては丸ごと借り上げてもらえるため、空室リスクを抑えられるという大きなメリットがあります。また法人契約なので長期契約が見込めるのも、一般の契約にはない利点です。

空室を民泊に利用するケースも

民泊市場の拡大を受けて、社宅の空室を民泊に利用するケースも増加しています。2017年秋には、大手都銀が世界規模で民泊の仲介を行う企業との業務提携を発表しました。
銀行は多くの顧客企業からさまざまな相談を受ける中で、企業が保有する社宅の状況についても情報を得ることが少なくありません。新たな取り組みは空室が多い社宅や活用されていない社宅を抱える企業に対して、民泊の施設として活用するよう提案するもので、民泊用にリノベーションするための費用は都銀が融資します。
活用されていない社宅が収益を生めば、企業にとってもメリットがありますが、民泊には180日という上限があり、管理者の常駐が求められるため、費用対効果には注意が必要でしょう。

まとめ

社会の変化に伴って社宅のメリットを見直す企業が増えていることは、アパート投資を手がけるオーナーにとって見逃せない追い風です。その一方、近隣の社宅が民泊利用されるようになると、民泊の需給バランスが変化する可能性もあるので、民泊の展開を考えている人にとっては気にしておくべき事柄の一つかもしれません。