自動車業界のEVシフトで住まいはどう変わる?

技術革新は突然に訪れるものです。これから数年は、自動車のEV(電気自動車)技術が実用化される変革の時期に入るとされています。
フランクフルトや東京など、世界規模のモーターショーでも、これまで主役だったSUV(スポーツ用多目的車)に代わって、EVがショーの花形として観衆の視点を釘付けにしました。
そんなEVですが、住まいに電力を供給する蓄電池として使えるため、住宅の電気事情を変える技術としても注目されています。

急激に盛り上がるEV市場

世界各国のEVシフトが鮮明化しています。
今年に入ってフランス、イギリスが相次いで2040年までにガソリン・ディーゼル車の販売禁止を打ち出しました。この動きに中国も連動して、2040年までにガソリン車などの販売・製造を禁じることを検討すると発表。インドは2030年までに新車販売をEVのみにする予定を立てています。
こういった動きを受け、世界の主要なモーターショーでも、大手メーカーのEVシフトが示されました。先日開催されたフランクフルトモーターショー2017でも、各メーカーがEVコンセプトカーを出品しています。
東京モーターショーでもホンダが初めてEVコンセプトカーを出品。トラックやバスの大手日野自動車もEVバスを出品しました。

EV×太陽光発電なら環境負荷ゼロ

これまで自動車は環境負荷が大きい乗り物でした。国内のCO2排出量のうち、乗用車が占める割合は約1割にもおよびます。ガソリンや軽油などの化石燃料を使用するため、大量のCO2を排出するのが内燃機関を備える自動車の問題点といえます。
自動車の多くがガソリン・ディーゼル車からEVに代われば、直接的に化石燃料を使う必要はなくなります。しかし、現在も国内電源の約8割が、石炭やLNGなどの化石燃料を燃やす火力発電により構成されています。したがってEVも間接的にはやはりCO2を排出しながら走ることになります。
そんな環境負荷の面から注目されているのが太陽光発電との相性です。発電設備を備えている住まいなら、自家発電した電力でEVを走らせることが可能であり、自家用車の環境負荷をゼロに近づけることができるのです。

EVが家庭用蓄電池になる

EVはさらに家庭用の蓄電池としても期待されています。専用のパワーコンディショナーが必要ですが、それさえあれば住まいから車に充電するだけでなく、車から住まいに電気を供給することが可能になります。
安価な深夜電力をEVのバッテリーに貯めて日中使うと、光熱費を節減することが可能です。太陽光発電装置を備えている住まいなら、晴天の日中に発電した電気を夜や天気の悪い日に使うという利用法もあります。
EVは大型のバッテリーを搭載しており、たとえば日産のリーフならバッテリー容量は24kWhもあります。一般家庭2~3日分を賄うことが可能であり、さまざまな用途に利用できます。

災害時の備えにEVが役立つ

EVを蓄電池として利用できれば、災害時にも役立ちます。大きな震災などが発生すると、長く停電することがあり得ます。そんなときにはEVのバッテリーから住まいに給電すれば、電池切れになるまでほぼ普段と変わらない生活を送ることが可能です。
太陽光発電設備を備えている住まいなら、日中に発電してEVに電気を貯め、夜間に使用するといった使い方もできます。またエンジンを搭載しているPHEV(プラグインハイブリッド)なら、ガソリンをエネルギー源として発電した電気を家庭で使うことも可能です。

まとめ

次に自家用車を買い換える際には、多くの家庭でEVが候補の一つに入ってくるものと考えられます。もしも一戸建て住宅に住んでいる家族がEVを購入するなら、太陽光発電装置の導入も合わせて検討すべきかもしれません。EVは単なる移動手段だけではなく、家庭のエネルギーを賄える存在と考えるべきでしょう。