重要事項説明とは

アパートの入居者と契約を結ぶ前に、重要事項説明を行わなければなりません。重要事項説明は、「法的に定められているから行う」だけではなく、「入居者とのトラブルを防ぐ」ためにも重要です。
入居者がアパートで生活を始めてから「こんなはずではなかった!」と感じるできごとがあると、大きなトラブルに発展する可能性もあります。トラブルを防ぐための重要事項説明について、アパートオーナーとして、しっかりと理解しましょう。

もしものときに……重要事項説明

マガ男:僕が以前にアパートを借りたときには、契約書だけではなく重要事項説明書を受け取ったような記憶があります。重要事項というのは、アパートに入居する人が「こんな条件があるなら、賃貸契約を結ばなかったのに!」と思ってしまうようなトラブルが起こらないよう、事前に説明を行うべきことなんですよね?
タテ吉:そうだね。最近は「事故物件」という言葉も知られるようになったよね。そのような情報も重要事項説明には含まれているけれど、「何が重要事項なのか?」と言われると、深く考えたことがない、という人も実際には多いのではないかな。
マガ男:僕も「その部屋で、何かの事件があって亡くなった人がいる」という情報があれば、その部屋を借りたくないと感じるかもしれません。でも、他にどんなことがあるんでしょうか?

重要事項説明書に記載しておくべきこと

タテ吉:アパートオーナーとして、重要事項説明書に書いておかなければならないのは、まず建物そのものの情報(所在地、名称、間取り、オーナーなど)だ。そして、「何人までの居住を認めるか?」「ペットは可能?」「楽器演奏は?」などの利用制限についても大切な記載事項だね。
マガ男:借りる側としては、毎日の生活で使う設備のことも知りたいですよね? たとえば電気やガスの状態や、給湯設備、エアコンの有無などは生活に直接かかわってきますから。
タテ吉:もちろんそれらの情報も必要だ。さらに、毎月の家賃や共益費、礼金、敷金の情報など金銭のやり取りに関することは、後のトラブルを防ぐためにも必ず記載するんだよ。

宅地建物取引士の知見を借りよう!

マガ男:なんだか心配になってきました。これほど細かい説明を、きちんと行うことができるでしょうか?
タテ吉:大丈夫。実は、重要事項説明を行うことができるのは、宅地建物取引士という国家資格を持つ人なんだ。例外として「不動産会社などを間に挟まず、オーナーと賃借人が直接、契約を結ぶ場合には、重要事項説明は不要」という規定もある。ただ、アパート経営を行うなら、不動産会社とのパートナーシップが重要なので、宅地建物取引士の知見を借りる場合がほとんどだね。

トラブル防止のために大事な項目

マガ男:重要事項説明の中でも、特に大事な項目というのはあるのでしょうか? もちろん、重要事項説明書の記載内容はすべて重要だとは思うのですが……。
タテ吉:もっともトラブルを防ぎたいのは、金銭的なことだよね? 毎月の賃料と、その支払方法について間違いのないようにする。賃料以外に必要な金銭や、敷金の清算に関することなどは、残念ながら契約後にトラブルになる事例が多い。だから、オーナーとしても宅地建物取引士としっかり相談をして、間違いのないように説明したいところだ。

「こんなはずじゃなかった」を防ぐために

マガ男:金銭的なこと以外にも、入居者が「こんなはずじゃなかった」と思うようなトラブルを防ぐことが大事ですよね。そのためには、重要事項説明書の中のどんな項目が重要になるでしょうか?
タテ吉:入居者が生活しているうちに、室内にあるものが壊れるという可能性があるよね。壊れたものが、アパートオーナーのものだったら、当然オーナーが修理することになる。そうでないものは、オーナーが修理する必要はないね。
マガ男:たとえば、エアコンや冷蔵庫が、アパートオーナーのものなのか、そうではないのかということですね! それがアパートの「設備」だったらオーナーが修理しなければいけませんね。
タテ吉:オーナーとして、その点の方針を決めたら、必ず重要事項説明書に明記しよう。

契約更新や退去のルールも明確化しておこう

タテ吉:他にも、契約更新の時期にトラブルにならないよう、契約期間や更新料についてもはっきりさせる。入居者が退去するとき、入居者がどこまで原状回復を行うのか、ということも、トラブルになりやすいので注意が必要だ。
マガ男:入居を認める人数や、ペットの可・不可、禁止事項なども、入居者に守ってもらうルールとして大事ですね。
タテ吉:そうだね。このように、重要事項説明は法的な定めがあるから行うだけではなく、後のトラブルを予防するための機会と積極的なとらえ方をして、宅地建物取引士とともに前向きに取り組んでいくべきだよ。