こんなはずじゃなかった!「土地から新築アパート」のリスク

中古物件の価格高騰が続いています。そのような状況から、新築アパートを土地から取得して建てるオーナーが増えています。
ゼロからチャレンジするアパート経営では高利回りへの期待が高まりますが、その一方で、失敗を口にするオーナーもいます。そこで今回は、「土地から始める新築アパート」経営について、土地購入・建物建設それぞれのメリット・デメリットについて考えてみましょう。

土地購入後の費用発生のリスク

「土地から始める新築アパート」経営の最大のメリットは、収益の最大化の可能性にあるでしょう。一方で、「建売」では、建築費に仲介業者が受け取る利益も含まれています。そこで、自ら建設会社を選定し直接発注することで、手数料分を削り安く建てるのです。
ただし、建売の場合、土地に関する知識がそれほどなくても物件購入は可能です。しかし、土地から購入する場合は、まず土地に関して十分に理解しておかないと、購入後に予想以上に莫大な費用が発生することがあります。
例えば、購入した土地を掘ってみたら大量のごみが発見された場合、その撤去費用に莫大な費用がかかります。また、購入した土地の地盤が重量鉄骨の建物を建てられないほど脆弱であれば、その補強に大きな費用がかかります。
業者のすすめで購入した土地では、プロの手によって、あらかじめこうした問題は解決されているものです。しかし、高利回りを実現するために、自分で土地を探して購入する場合は、そのような背景にも気を付けねばなりません。
解決策としては、万一このような問題が起こった時には追加費用分を売主が負担する、もしくは契約自体を撤回するという文言を、売買契約書に記載しておく方法があります。
この他にも、土地に対する建築の制約です。たとえば、土地に接する道路が「都市計画道路」に指定されていて、「将来の道路拡張のため、境界線から内側数メートルは建物が建築できない」などの決まりがあった場合、当初計画していた通りのアパートが建てられない可能性があります。もし部屋を小さくしたり、部屋数を減らしたりする必要がある場合、想定家賃や利回りの実現も不可能になります。
このような問題に陥らないためには、土地探しのために、建築基準法などの法的な知識を身に付けておく必要があります。

アパート建築にもさまざまなリスクが

土地の次は、建物の建築です。オーナー自ら建築業者を手配する場合、最も失敗が起きやすいのは、建築費の追加発注でしょう。追加発注はトラブルになるケースもあります。注意するべきポイントを確認していきましょう。

1. 見積書は細かく

新築アパートを建てる時、オーナーは複数の業者から相見積りをもらうはずです。このときに、しっかりした指示を出さないと、正確なコストの比較ができません。例えば、「水道負担金」「外構工事費」「内装設備費」など、本体工事にあたらない項目は、業者によって見積の仕方に差がでることが多いものです。
安易に判断して、最も安い業者を選ぶと、後々「当初の見積に含まれていないので、別途かかります」という場合もあります。このような失敗が積み重なれば、予想していた利回りを下回り悔やむことになるでしょう。各社から、できる限り詳細な工事の見積書を提示してもらうようにしましょう。

2. 工期の遅れには注意

実際に工事が進むと、天候の問題や、繁忙期などさまざまな要因から当初の予定よりも工期が遅れることが多々あります。それにともなって追加工費が発生することがあります。一般的には、木造、重量鉄骨、RCの順に、工期が遅れやすい傾向にあります。「工期の遅れは、ある程度起こりうるもの」という認識はあらかじめ持っておきましょう。
アパート経営で大切なのは、工期の遅れが収益悪化を招かないようにすることです。例えば、賃貸需要の多い3月引渡予定であったにもかかわらず、2ヵ月も遅れた場合どうなるでしょうか。
新築でさえ、長期の空室を余儀なくされるほど、市場での競争は激しくなっています。オーナーは工事の進歩状況を随時確認し適切な対応をとるようにしましょう。
また、工期が遅れてもローンの返済は始まります。完成が遅れれば、下手をすると数ヵ月間に渡り、資金の持ち出しが発生するかもしれません。その場合は、返済の据置期間などを設けるように金融機関との交渉が必要になるかもしれません。

まとめ

今回は「土地から始める新築アパート」経営について紹介しました。総じていえることは、建売アパートを購入するよりも、より知識や対応力が求められるということです。
実際のところ、土地購入から始めたというオーナーには、ご自身で土地探しから行ったというよりも、業者の紹介で購入されているケースが多いので、利回りはともかく、今回紹介したようなリスクは小さくて済みます。ハイリターンの背後には、さまざまなリスクがあることを、理解しておきましょう。