バブル期並みの地価!?投資熱も一段落か

国土交通省が7月に発表した2017年1月1日時点の路線価では、銀座の一部でバブル期を超える価格となりました。
かつて日本中を狂乱させたバブル景気。現在、日本の不動産が、バブル期と同じような状態だとしたら、前回と同様に暴落の危険性をはらんでいるともいえます。果たして今回の地価上昇は、本当にバブルの再来なのでしょうか。

東京の地価だけが高くなっている

1980年代後半から90年代初頭にかけてのバブル期には、全国的に地価が大幅に上昇をしました。東京だけではなく、名古屋や大阪、その他の地方都市に至るまで、日本中で地価が上昇していたのがこの「バブル期」です。当時はまだ、東京と地方の格差も少なく、日本中のどこでも土地を欲しがる人がたくさんいました。
しかし、今はどうでしょうか。東京とそれ以外の都道府県の土地平均価格を比較してみると、その差は歴然としています。今回の地価上昇は、首都である東京と、その周辺エリアです。確かに名古屋や大阪などの大都市でも地価は値上がりしています。しかし、その地価上昇が周辺エリアに与える影響も小さく、都道府県平均で比較すると東京との格差は拡大しているのです。
東京および東京周辺の「一人勝ち」と言える状態が、バブル期との大きな違いです。都内においても、地価が顕著に値上がりしているエリアは限定的です。東京23区内では主要な機能を持つ港区、千代田区、中央区が値上がりしています。
日本ではバブル期の頃から、少子化の危機がささやかれていました。しかし、当時はまだそれほど深刻な問題とは見られていませんでした。ところが今は、世界でもまれに見るようなスピードで少子高齢化が進み、地方の過疎化も深刻な問題となっています。仕事もお金も東京に集中して、東京でなければ豊かな生活ができないという心理が、この状況の背景にはあるようです。

地方でも主要都市一極集中

都心に人口が集中し、地価が上昇するという現象は、名古屋や大阪、札幌、福岡など、地方の中心都市でも同様の傾向が見られます。出生率が全国ワーストの東京の人口が上昇傾向にあるのは、他県からの流入が激しいからです。関東以外に住んでいる人たちにとって、東京への移住はなかなかハードルが高いようで、九州に住む人たちは福岡、東北は仙台、北海道は札幌、関西は大阪など、その地方の中心都市に人口は集中し、需要が生まれ地価が上昇する傾向が見られます。
地価上昇は主にビジネスエリアが中心です。住宅エリアには値上がりの影響はそれほどありません。マイホーム購入が夢だったバブル期と比べれば、平均的な収入額の世帯でも、現在は住宅購入が容易になっています。また、住宅ローンもバブル期と比べればはるかに金利が低いので、返済ができなくなり破綻、連鎖倒産などが起こる可能性もバブル期より低いでしょう。

投機ではなく実需で価格上昇

また、バブル期との大きな違いとして、地価上昇の理由が投機目的ではないという点があげられます。バブル期は、次々と値上がりするのに釣られて、居住目的ではなく投資目的で不動産を購入する人が増えていました。
高額で売れるものの、いつか高値掴みしてしまうのではないかという恐怖心と隣り合わせで不動産に投資していたのです。そしてバブルが弾け、恐怖心が一気に暴発して大幅な下落を招きました。
しかし、現在の不動産価格の高騰は、例えば銀座にオープンした「GINZA SIX」に象徴されるように、買い物客や観光客など実需があり、その需要を満たすために土地が買われ、マンションや商業施設が建築されているのです。そうしたことから、急激に価格が暴落する可能性は低いと考えられます。
今回は、現在の地価について見てきました。「バブルのようなことが、また起きるのではないか」と危惧する声が少なからずあるのも事実です。しかし、現在は、上述したように実需に合った価格で不動産は取引されていると考えられます。しっかりと需要を把握し、情報を先んじて集めていけば、バブル崩壊時のような暴落の憂き目にあうことなく、不動産投資を実践できるでしょう。