充実進む「○○支援型融資」

住宅の取得を支援する住宅ローンはもともと金利が低めに設定されています。近年はマイナス金利が導入されるなど、市場の借入金利が非常に低いレベルで推移する中、住宅取得以外の目的を合わせて支援するタイプの住宅ローンが各種登場しています。
子育てや親世帯との近居、太陽光発電設備の設置など、生活者の関心事を支援するものも多く、要注目です。

超低金利で差別化が難しくなった住宅ローン

住宅ローンは住宅取得を支援するためのローン商品です。近年はマイナス金利など市場金利低下の影響を受け、超低金利状態が続いていますが、金融機関にとっては使途が明確で貸し倒れが少ないなど、メリットが大きい商品です。住宅という担保が確実に設定できるため、リスクが小さいのです。
ところが超低金利が常態化している中では差別化が難しくなっており、新たな支援サービスを付加するケースが増えてきました。

フラット35に子育て支援と地域活性化型が登場

住宅ローンの中でも利用者が多いものに住宅金融支援機構が提供する「フラット35」があります。民間の金融機関と共同で提供する人気の高い住宅ローン商品ですが、そんなフラット35に子育て支援型と地域活性化型の住宅ローンが今夏登場しました。
子育て支援型は子育て世帯が親世帯と近居・同居などをする場合に当初5年間の金利を0.25%引き下げるというもの。地域活性化型の住宅ローンは地方に移住する場合などに、同じく当初5年間の金利を0.25%引き下げるというものです。
いずれも自治体と共同で提供するローンなので、利用できる自治体が限られており、自治体によって利用条件等が異なります。

自治体と地銀が共同で提供する近居支援

同じく親世帯との近居を支援する住宅ローンを各地の地方銀行が提供しているケースも見られます。
たとえば、大阪を本拠とする池田泉州銀行は同銀行の主な営業エリアである自治体と連携して住宅ローンの金利割引を提供しています。「親元近居住宅ローン」と呼ばれる商品で、店頭金利から最大2%以上割り引くといいます。
同じく、広島県を本拠とする広島銀行も親世帯との近居を支援する取り組みとして「三世代同居・近居支援プラン」を手がけています。通常のローンに比べて金利が大幅に割り引かれるので、親元に住まいを建てる人にとっては利用価値の高い住宅ローンです。

ライフステージ応援や太陽光発電支援も

住宅ローンは長期的に支払い続けるものだけに、当初契約した通りの金額を支払い続けるのが難しくなることもあり得ます。生活者のそんな不安を軽減してくれる支援サービスも最近では見られるようになりました。
みずほ銀行が提供するライフステージ応援は、ライフステージごとの経済的な余裕度合いに応じて返済額を変えられるというユニークなプランです。配偶者の産休・育休時期や、子供が大学に通う時期など、収入が減少したり支出が増加したりするライフステージには返済額を減らすことができます。
太陽光発電を導入する人にうれしいのが、りそな銀行が提供する日照補償付きの住宅ローン「晴れたらいいね」です。低金利の住宅ローンで太陽光発電設備の設置費用を賄える上、日照補償サービスを無償で提供してもらえるという優れもの。余剰電力の売電をローン返済の一部にあてたいと考える人にとって、安心感の大きなローン商品です。

まとめ

住宅ローンは大きなお金を長期的に支払っていくものだけに、付帯する支援サービスによって意外に大きな経済的メリットが発生します。これまで金利で選ばれることが多かった住宅ローンですが、個性的な支援サービスの登場を受けて、今後は選び方が変わっていくかもしれません。