アパート経営成否の分かれ道!「自主管理」か「業者委託」か

アパート経営を考えるときに重要なのが、「賃貸管理」と呼ばれる日々の業務です。建物という「ハード面」に、管理という「ソフト面」が上手く嚙み合ってはじめて、アパートは収益を生み出すものです。どんなに立地が良くて素敵な建物を建てても、賃貸管理が悪ければ空室と家賃低下に悩まされ、オーナーの懐を直撃する事態を招いてしまうのです。では、どうすればいいのでしょうか。

管理が悪い場合のデメリット

不動産投資において管理が行き届いていない場合、どのようなデメリットがあるのでしょうか。

● 入居者が集まらない

管理業務で重要なのが、入居付けです。広告や検索サイトで入居者を募集し、物件を案内して契約を結ぶ仕事です。しかし、大手検索サイトに情報をアップしていないなど、募集体制が不十分だとなかなか空室が埋まらず、アパートの収益性を直撃してしまいます。
また、契約を促進するためのノウハウを持っているかどうかも重要です。これがないと、「内見者は来るのに、なかなか決まらない」という事態になり、やはりアパートの収益性を左右します。

● 質の悪い入居者が集まる

入居希望者の中には、家賃の滞納や近隣トラブルを起こしそうな人もいるかもしれません。このような要注意人物をチェックするのが「入居者審査」です。
入居者審査が不十分だと、家賃滞納、騒音やゴミの問題などが起こりかねません。しかも、環境が悪化したアパートから、それまでトラブルがなかった入居者が退去し、質の悪い入居者ばかりが集まるというような悪循環に陥る恐れもあるのです。

● 建物の美観や寿命が悪化する

建物の維持・メンテナンスも管理の重要な仕事です。アパート経営は、30年、40年という長い歳月を満室に近い状態で貸し続けることで、最大限の収益があげられます。このような長期安定経営を実現するには、建物の適切な補修やメンテナンスが欠かせません。
建物管理が疎かになると、アパートの美観や機能が損なわれ、空室率の悪化や家賃の低下を招き、さらには建て替えまでの期間が短くなり、収益性が大幅に悪化してしまうことになるでしょう。

賃貸管理の種類

賃貸管理には、「入居者管理」と「建物管理」の2つの業務があります。
入居者管理は、入居者募集や現地案内(内見会)、契約業務(入居者審査を含む)、家賃の徴収、入居者からの問い合わせ受付と対応など、入居者に関するマネージメントを行います。
建物管理は、敷地や共用部の清掃、建物や設備の点検整備・補修など、建物に関する管理とメンテナンス全般を行います。賃貸管理は、入居者から建物にまでわたる非常に幅広い業務を担当し、それぞれ高度なノウハウが必要となるのです。

自主管理か、業者委託か

昔は、オーナーが家賃を集め、共有部の掃除などを行うケースも珍しくはありませんでした。これを「自主管理」と呼びます。しかし最近は、他に仕事を持ちながらアパート経営を行うオーナーが多く、賃貸管理を専門に請け負う「業者委託」を利用するケースが増えています。では、自主管理と業者委託の違いと注意点を見ていきましょう。

1. 自主管理

入居者管理や建物管理を、オーナー主導で行うものです。地元の不動産会社や工務店、クロス貼り業者、水道業者、ガス会社などにオーナーが直接発注して管理します。家賃の徴収や共有部の掃除、トラブルやクレームの対応なども行います。
自主管理のメリットは、管理会社を使わないので、管理委託料や外注業者との中間マージンが発生しない点と、管理する喜び(入居者との交流など)が味わえることでしょう。
ただし、管理委託料は思ったほど高いものではないので、経済的なメリットはあまりないのが現実です。特に、初めてアパート経営に乗り出す場合は、賃貸管理のノウハウがないため、業者の言いなりになって不利な条件を呑まされてしまうリスクがあります。
また、入居者との交流は、悩みの原因になってしまう恐れもあります。しかも、クレームやトラブルは24時間・365日いつくるかわからず、精神的・肉体的負担があるでしょう。クレームやトラブルの適切な処理ノウハウを持っていないため、かえって大きな問題になってしまう恐れもあります。

2. 業者委託

専門の賃貸管理会社に委託料を支払って管理してもらう方法です。家賃の数%の委託手数料で代行してもらいます。
賃貸管理会社の最大の魅力は、経験から蓄積された豊富なノウハウを持っていることでしょう。たとえば、入居者がなかなか見つからなければ、敷金・礼金を無料にする「ゼロゼロキャンペーン」や、一定期間家賃を無料にする「フリーレント」といった入居促進策を提案してくれたりします。
さらに、入居者審査の内容やトラブルが発生した場合の対処方法など、数多くの入居者管理から導き出された効果的なノウハウがあり、オーナーは円満経営ができます。
ただし、管理会社にはさまざまなタイプがあり、その得意分野や人員体制はまちまちです。建設が本業の会社が、アフターサービスの一環で手掛けているようなケースもあります。それだけに、実績とノウハウが豊富な賃貸管理会社を見つけられるかが、アパート経営成功のポイントになるでしょう。
アパート経営の成否は物件選びだけでなく、賃貸管理業務も大きく影響します。オーナー自身が管理を行う「自主管理」は、苦労が多い割に経済的メリットは少ないため、オーナー自身が賃貸管理のノウハウを身に付けるまでは「業者委託」が賢明だといえるかもしれません。