REITと不動産投資で比較検証するレバレッジ効果の違いについて

不動産投資の魅力の一つにレバレッジ効果があります。レバレッジ効果とは、借入金を使って大きな取引を行い、自己資金に対する利回りを上げる効果です。
レバレッジ効果は現物の不動産だけではなく、REITにおいても信用取引を行うことで生み出せます。
そこで今回の記事では、現物不動産とREITのレバレッジ効果の違いについてご紹介します。

REITのレバレッジ効果

信用取引とは、証券会社からお金を借りて行われる取引のことです。信用取引では、証拠金という担保を差し入れます。証拠金は証券会社に対する保証金のような位置づけです。
REITの場合、証拠金の3倍強までの取引が可能です。例えば信用取引で1,000万円の取引をしようとすると証拠金が300万円必要となります。
例えば配当利回りは4.5%のREITがあったとします。信用取引によって1,000万円のREITを購入すると、配当は450,000円となります。
一方で証券会社の金利を3%とすると、金利は300,000円(=1,000万円×3%)の金利が発生します。
金利差引後の実質的な配当は150,000円(=450,000円-300,000円)となります。証拠金は300万円であったため、実質的な配当利回りは5%になります。
本来、4.5%の配当利回りしか得られなかったものが、信用取引を行ったことによりレバレッジ効果が効いて5%の利回りとなりました。
但し、この金額の中には元本返済は含まれていません。

現物不動産のレバレッジ効果

不動産投資では、証拠金ではなく、自己資金と借入金を使って不動産全体を購入します。
上記のREITと同様に、1,000万円の物件でNOI利回りが4.5%の物件を考えます。自己資金300万円、借入金700万円とします。
NOIが4.5%のため、年間NOIは450,000円となります。
不動産投資ローンの金利を2.5%とした場合、700万円の借入に対し、年間の元利均等返済額は約300,000円となります。
元本返済と金利差引後のキャッシュは150,000円(=450,000円-300,000円)となります。自己資金は300万円であったため、実質的な配当利回りは5%になります。
本来、4.5%のNOI利回りしか得られなかったものが、借入金を用いたことよりレバレッジ効果が効いて5%の利回りとなりました。
またこの計算の中では、元本返済も含んだ後の実質的な配当利回りになります。

両者の違い

REITの信用取引の場合、証券会社からの借入金が取引額全体となります。自己資金的な意味合いの証拠金は、保証金として証券会社に預けられる形となります。
また、証券会社の金利も、現物不動産に対する銀行の金利よりも高い傾向にあります。
一方で、現物不動産の場合、銀行からの借入金額は、自己資金を除いた金額となります。
また、銀行にもよりますが、現物不動産に対する金利は証券会社の金利よりも低い傾向にあります。
そのため、現物不動産投資の方が借入金額は少なく、かつ、金利も低いため、金利による影響を抑えることができます。
上述の例では、レバレッジ効果による利回りは同じでしたが、REITでは元本返済前の利回りであり、現物不動産投資では元本返済後の利回りでした。
元本を返済していることを考量すると、実質的には現物不動産投資の方がREITよりも高いレバレッジ効果が得られます。

レバレッジ効果を高くする方法

レバレッジ効果は、元々の利回りと金利との差が大きいほど効果が大きくなります。レバレッジ効果を大きくするには、高い利回りの物件と低い金利を選択することがポイントです。
REITにおいても、配当利回りの方が大きい銘柄を選べば、現物不動産よりもレバレッジ効果が高くなる場合もあります。
不動産投資ローンの場合、本人の資産状況によっては低金利でも融資を受けることができるため、REITよりは低い金利を選べる幅が広いです。
現物不動産の方が物件や銀行を選べる幅が広いため、どちらかというと、高いレバレッジ効果を追求しやすい状況にあると言えます。

まとめ

以上、REITと不動産投資で比較検証するレバレッジ効果の違いについて見てきました。レバレッジ効果は利回りと金利との差が広いほど効果が高まります。
物件数や銀行が多い現物不動産の方が、選べる範囲が広いため、利回りと金利との差は広げやすいです。レバレッジ効果に関しては、現物不動産の方が得やすいと言えるでしょう。