会社員のための不動産投資ストーリー 第2話

この物語は、不動産投資を通じて本気で人や仕事と向き合うことの大切さを知ることができた主人公の心の成長ストーリーを描いたものです。
(※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。)
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3.不安

自宅に戻った本田は、「主人をよろしくお願いします。」と言った良子(曽我の妻)の言葉が気になった。良子は、本当は曽我の投資話を止めさせたいのではないだろうか。
そう言えば、本田の妻の弟の博は不動産鑑定士だった。不動産鑑定士は収益物件などの不動産を評価する国家資格者だ。博なら、曽我の投資話が実際のところどうなのか分かるかもしれない。
次の日、曽我は義弟の博に電話をした。改めて電話をするのは結婚してから初めてかもしれない。
「そんな投資は危険ですね。」
やはりそうか。本田はどういう投資なら良いのか博に尋ねた。
「そうですね、それじゃ義兄さん、実際に不動産投資で成功している人に会ってみませんか。私のお客様で伝説の投資家って言われている有名人がいるんです。その人に話を生で聞きましょうよ。」
本田は、曽我に不動産投資を止めさせたかったので、その伝説の不動産投資家とやらに会ってみたくなった。本田は博と伝説の不動産投資家に会う約束をし、電話を切った。

4.銀座


数日後、伝説の不動産投資家と会う日になった。待ち合わせ場所は銀座7丁目にあるビルの1階だ。
「義兄さん、お久しぶりです。それじゃ、行きましょう。」博はビルのエレベーターのボタンを押す。
「おい、博君、行くってどこだ、このビルの上は高級クラブばかりだぞ?」
「あ、お金のことなら心配いりません。今日会う伝説の不動産投資家はこのビルのオーナーですから。今日は義兄さんのおかげでここに来る理由ができましたよ、エヘヘ。」
本田は銀座の高級クラブには足を踏み入れたことがなかった。ドラマや小説でしか知らない世界だ。
入店した店は、「クラブL」という名前であった。店内には大きな絵画がいくつも飾ってあり、落ち着いた静かな雰囲気であった。キャバクラしか知らない本田には若干拍子抜けした。
本田たちが席に座ると、「麻布様は、少し遅れて到着されます。」と上品なママが伝言を告げる。どうやら伝説の投資家は麻布という名前らしい。
「博君は良くこういう店に来るの?」
「来ませんよ~、無理です。ただ麻布さんには可愛がってもらえるので、何かある度に麻布さんに会う予定を使って、こうして奢ってもらうんです、エヘヘ。」
「アハハ、じゃ俺は博君に利用されたって訳か。まぁ、良いや、俺もこんな店初めて来られたし。」
「あ、そうだ義兄さん、麻布さんは良い人なんですけど、少しアマノジャクですからね。頑張って下さい。」
しばらくすると、店に一瞬緊張感が走るのが分かった。どうやら麻布が到着したようだ。
現れたのは、漁師を思わせるいでたちの初老の男性であった。決して綺麗ではないし、ハッキリ言って品のない格好だ。
こいつは本当に銀座にこの格好で来たのか。こいつが本当に伝説の不動産投資家なのか。こいつが本当にこのビルのオーナーなのか。
「君が本田君かね。」
「ハイ、そうです。本田と申します。」
麻布が席に座ると、奥から華やかなホステスが一斉に登場した。モデルのような美女が両脇に座り、本田はあまりの迫力に圧倒さるばかりだった。
『なんだ、この店、ホステスいたのか。』本田は自分たちと麻布との扱いに違いに愕然としていた。
「あの、麻布さん、今日は不動産投資についてお話を伺いに来ました。」本田は単刀直入に切り崩す。
「あ~、そういう話?本田君、金儲けの仕方を人に教えるわけがないだろう。わしゃ、投資の方法は絶対に人には教えんよ。どうせ教えても、ほとんどの人間が実行できないからの~。」
本田は博に助けを求めた。博は「もっと行け」と目で合図するだけだ。本田は美女たちには目もくれず1時間教えを懇願し続けた。
「お前さん、しつこいの~。せっかくの酒が不味くなるわ。んじゃ、聞くがなんであんたが不動産投資の方法なんか知りたいんじゃ。」
本田は、ここで曽我の話を打ち明ける。本田は、麻布の目を見て、「友人を救うためだ」とハッキリ伝えた。


※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。