会社員のための不動産投資ストーリー 第4話

この物語は、不動産投資を通じて本気で人や仕事と向き合うことの大切さを知ることができた主人公の心の成長ストーリーを描いたものです。
(※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。)
第3話はこちらから

7.原因

曽我と物件実査で喧嘩別れをしてから2週間が経った。再び曽我の妻の良子から連絡が入る。
「先日は、一緒に物件を見に行って頂き、ありがとうございました。私もあの投資は不安だったので主人が止めてくれてほっとしました。ただ、あれ以降、主人の様子がまたおかしいんです。」
良子の話のよると、曽我はどうやら再び出社拒否をしているらしい。出社拒否と言っても、良子の前では会社に行っているフリをしている。会社から連絡が入り、知ったようだ。
前回も最初のころは会社に行くフリをして終日公園で座っていたという。今回も恐らくどこかの公園でさぼっているのではないかという話であった。
「以前の出社拒否は上司から成果を完全否定され続けたことがきっかけだったようです。」
本田は良子の言う「完全否定」という言葉が胸に刺さった。
会社でチームリーダーをしている本田は、以前、部下からこんなことを言われた。
「本田さんって永田さんのこと、いつも完全否定しますよね」
永田は本田の部下の中のうつ病の社員だった。本田は、永田のうつ病の原因は自分にはないと思っていたが、良子の「完全否定」という言葉が引っ掛かった。
先日、本田は物件実査で、曽我の欲しい物件を否定した。結果として、曽我の不動産投資を完全否定した形になった。そのことが、再び曽我を苦しめてしまった。
曽我も、部下の永田も、出社拒否の原因は自分にあるのではないか。
良子が電話越しに涙ぐんでいるのが分かった。
「私は不動産投資が反対でしたが、主人は不動産投資をしたいのだと思います。不動産投資を否定するのではなく、不動産投資をすることで救われる道もあるのではないかって思うんです。」
本田はしばらく考えた後、良子にこう告げる。
「分かりました。しばらくお時間ください。私がご主人を不動産投資で救いますよ。」

8.決意


良子から電話があって以来、本田は不動産投資の勉強を始めることを決心した。
本田には確信があった。何ごとも専門書を3冊読めば、それなりに知識が付くと。本田は早速に書店に向かう。
本田は今まで本屋の不動産投資コーナーには全く足を踏み入れたことがなかった。不動産投資コーナーは人気があり、書店で大きな一角を占めていた。
書籍コーナーの前で本田は少し愕然とした。「サルでもできる不動産投資」系の本は多いのだが、コレと思える専門書がない。
執筆者も個人投資家が多く、有資格者や大学教授が書いたような本は一つもない。中には曽我の言っていた「木造築古アパートを買いまくって大成功!」のような本もあった。
専門書を3冊買おうと意気込んできたが、肩透かしをくらった。せめて義弟の博と同じ不動産鑑定士による本はないかと思い探してみたが、それすらない。1時間以上立ち読みし、まともそうな本を1冊買うにとどまった。
『不動産投資って、こんないい加減な知識しか手に入らないのか』本田は不満を募らせる。
次に本田はネットでの情報収集を試みる。ネットは情報量が多過ぎる。「不動産投資の5つの注意点」とか「不動産投資をする前に行う10個のこと」とか、一体何個注意すればいいのか、余計に分からない。
ネットを見る中で目に留まったのが、不動産投資セミナーだった。セミナーであれば講師にも会えるため、質問も可能だ。本やネットにまともな情報が無い以上、詳しそうな人の話を直接聞くのが一番良い。
いくつかセミナーに参加する中、本田がピンと来たのは新築木造アパートの投資であった。
木造アパートは、コストの安さや、賃料が鉄筋コンクリート造の物件とそん色ないこと、新築は減価償却のメリットが大きいこと、取壊しも容易であること等、納得感のある話が多かった。
本田は新築木造アパートを投資対象とすることを決意するのであった。


※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。