会社員のための不動産投資ストーリー 第6話

この物語は、不動産投資を通じて本気で人や仕事と向き合うことの大切さを知ることができた主人公の心の成長ストーリーを描いたものです。
(※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。)
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11.稼働

2月末、本田が投資した新築アパートは竣工を迎えた。4月に向けた大移動シーズンの手前ということもあり、晴れて竣工と同時満室で稼働する運びとなった。
賃料は本田が固めにシミュレーションしていたため、当初想定の1割以上高い賃料収入が得られている。順調な滑り出しだ。
一方で、永福町の物件実査以降、曽我も新築アパートに投資ターゲットを変更し、物件を購入していた。曽我も本田からのアドバイスを素直に受け、良い物件に出会えた。曽我の物件も満室で想定賃料よりも高いスタートとなっていた。
4月に入り、本田は近況を聞きに曽我の住むタワーマンションへ訪ねた。
「いや~、やっぱ新築アパートは良いよな。自分が物件を育てている感じがするよ。」曽我は笑顔で本田に伝えた。
「そう言えば、曽我は大学時代、B級アイドル育てるのが好きだったもんな。あの娘は俺が育てているみたいな・・・」
「そうそう。まだAKBとか流行る前に、そういうことやっていたな。俺っていつも時代の先端を走るタイプだからな~、ガハハハッ」
曽我に笑顔が戻った。
ちょっと意味不明な部分で自信過剰なところが、昔の曽我を見ているようであった。曽我の妻の良子も以前のような悲壮感が無くなり、自然な笑顔にあふれていた。
「なんかさぁ、不動産収入が出来たら、少し肩の荷が下りたよ。今は次の物件買いたいから、会社にはまじめに行き始めたよ。金のために働き始めたら、かえって楽になったな。」
曽我は会社へも行き始めたようだ。

12.勇気


変わったのは曽我だけではない。本田も少しずつ変わっていった。
本田は今まで、部下の永田がたまに出社してきても、無視していた。永田は出社や長期休暇を繰り返すうつ病の社員だ。
永田の出社は月曜日が鬼門だった。月曜日にきちんと出社してくればしばらく長続きし、月曜日に休暇を取るとしばらく会社に来られない状態を繰り返していた。
本田は、永田が月曜日に出社してきたとき、思い切って声をかけてみた。以前から永田の行動パターンを観察していた本田は、月曜日なら行けると思い勇気を振り絞ったのだ。
「どうだ、永田、久しぶりに飯でも行かないか?」永田は久しぶりに本田から声をかけられ少し緊張した様子であった。今後の自分の処遇について、最後通告を受けるのではないかと思ったようだ。
本田は、永田に自分は最近不動産投資にはまっているという話だけをした。仕事の話は一切せず、ただ不動産投資の魅力や醍醐味を伝えた。
次の日も、その次の日も、本田は永田を昼飯に誘い、不動産投資の話をした。たまたま永田の住んでいるマンションが、投資対象として興味のあるエリアでもあったため、永田から地元情報を聞き出した。
「あそこのスーパーは深夜までやっているので、一人暮しには便利です。」とか、「あの辺、バイク置場のある賃貸物件が無くて探すのに苦労しました。」とか地元住民ならではの情報を得た。
永田も上司の本田に有益な情報を伝えられるのがだんだんうれしくなり、そのうち本田とのランチが楽しくなり、2人のランチは日課となった。
本田は今まで永田とは何を話して良いのか分からなかったが、不動産投資というネタができたことで、永田と自然に向き合えるようになった。
本田の変化は、他の部下からも好評だ。
「本田さん、なんか変わりましたね。僕らのチーム、明るくなりましたよ。」
「本田さん、僕にも不動産投資、教えてくださいよ。」
本田のチームからは、以前のような悲壮感は消えていた。本田は、曽我と出会い、不動産投資と本気で向き合ったことで、人と関わる勇気を取り戻すことができたのだ。
「よし、それじゃうちのチームで不動産投資塾でも開くか!」
本田も調子に乗って盛り上げた。皆を引っ張っていく自分の姿に、大学時代の曽我の後ろ姿を重ねたのだった。
終わり


※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。