AI活用で住まいの設計・プランニングが変わる

将棋のプロ棋士と対戦して勝利するなど、近年は著しくAIの進化が著しく進んでいます。将来的にはさまざまな職業をAIが代替すると考えられていますが、建築や不動産の世界でも見られるようになってきました。
大手ゼネコンで設計や建築管理に活用できるシステム開発が進む一方、不動産投資においてもより効率的に収益をあげられるよう、自動で賃貸住宅のプランニングを行うシステムが登場しています。

進化するAIが建築を変える!? 大手ゼネコンが次々導入

近年は著しい進化を遂げ、さまざまな分野に進出しつつあるAIですが、AIが実用性を獲得しつつあるのは、深層学習により自ら情報を取得し学習できるようになったからです。省力化が大きなテーマとされている建築の世界では、そんなAIに対して、大きな期待が寄せられています。
建築への応用が試されるなか、アメリカではGoogle社から独立したベンチャー企業、Flux社がAIを利用して現在の建築コスト・工期を半分にするとの目標を発表しています。その動向からは目が離せません。
国内でAI導入を進めているのは大手ゼネコンですが、先行しているのが鹿島建設です。同社では建築に必要な情報を3次元データに落とし込んだBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を用いてAIで図面設計するシステムの開発を進めています。
同じくゼネコン大手の竹中工務店も同様の取り組みを進めています。目指すのは構造設計に伴うルーチンワークをAIに担当させることです。それにより、ルーチン作業の70%を削減できると同社は考えています。
開発の基盤になるのは竹中工務店がこれまで独自開発した構造設計システムに蓄えてきたデータです。これらの既存データを、AIで活用できるシステム作りを計画しています。本取り組みで提携相手となるのはHEROZ社。初めて将棋でプロ棋士に勝利した将棋ソフト、「Ponanza(ポナンザ)」を開発したことでも知られる気鋭のITベンチャーです。

不動産投資のプランニングもAIで

蓄積されたデータがあれば、自律学習して効率よく活用できるというAIの特性は不動産投資のプランニングに応用できます。
AIによるプランニングの導入はすでに始まっており、その一例が不動産テック/ベンチャーのZWEISPACE JAPANが開発したロボット建築士「オートカルク」です。土地と場所の情報を入れれば、最適のアパートプランを提供してくれるという人工知能システムです。
土地を活かして地域の家賃相場などと照らして、最適のプランを作成するのは複雑な作業なので、これまでは知識と経験を持つプロが取り組んでも2~3日はかかるとされてきました。
プロの知識や思考の流れを学んだ「オートカルク」は利益を最大化できる設計や間取り、賃料などを20秒程度で作成することが可能といわれます。

プロの勘からAIの判断に

不動産の世界はプロの勘をもとに取引が進められることが少なくありません。取引に時間がかかると、それだけでコスト負担がふくらむため、詳細なプランニングをする前に勘で判断されがちなのです。
そのため、経験豊富な人材とそうでない人との能力差次第で成果に大きな差が生じることは、不動産業の抱える大きな問題でした。
AIが導入されれば、蓄積された事例をもとに正確かつスピーディーに最適の設計やプランニングを提案してくれるようになると考えられます。不動産投資の対象である賃貸住宅の設計やプランニングにもAIが導入されれば、より効率の高い投資が可能になるはずです。

まとめ

近い将来には、人が担っている業務の大半をAIが代行すると言われています。建築やプランニングにおいても、AIが大きな役割を担うようになれば、アナログ的な部分が大きいとされてきた不動産の世界が急変する可能性も大いにあります。