「借金が怖い」では済まされない!不動産を現金購入するデメリット

不動産投資家の中にも、「借金は怖いから」という理由で、不動産を現金購入される方がいます。「借金はないに越したことはない」と、一般的には考えがちですが、不動産の現金購入では、一般論だけでは片付けられない、デメリットが存在します。今回は、これについて考えてみましょう。

不動産は長く持つほど価値が下がる

世の中には、金融商品が数多く存在します。株やFX、先物、投資信託、最近ではビットコインと呼ばれる仮想通貨も人気です。多くの場合、将来、価値が上がると思われる金融商品に投資して、価値が上昇後に売却し、利益を得ます。こうした金融商品は、将来の価値が下がることも上がることも予想されます。
しかし、不動産は株やFXと違って、経年劣化などにより物件価値はほとんどの場合、下がると考えるのが自然です。購入価格より高値で売却できることもありますが、そのためには物件が持つ価値や立地の将来性を見抜く鋭い洞察力が必要で、高度な知識と長い経験がなければ難しいでしょう。

不動産流動性の低さ

他の金融商品と比べて、大きな不動産のデメリットは流動性の低さでしょう。ほとんどの金融商品は、売りたい時に売ることができますが、不動産はいざ売却しようとしても、数ヵ月かかることがほとんどでしょう。立地や建物によってはなかなか買い手がつかず、売却までに1年以上かかってしまうケースもあります。また、売れ残れば残るほど、希望金額では売れなくなり、売却価格を下げる必要が生じます。
現金で不動産を購入するということは、必要時に現金化しにくい資産に変えてしまったという意味でもあるのです。

不動産は他の投資商品より収益性が高い?

しかし、不動産投資には他の金融商品にない収益性があります。ここでいう収益性とは、キャピタルゲイン(売却益)ではなく、家賃収入によるインカムゲインを指しています。また、他の金融商品では実現できないような利回りの不動産物件も少なくありません。安値で購入した物件を、安くリフォームし、入居者が入れば、他の金融商品よりも、はるかに高い収益を上げることが可能です。
収益性について、もう少し具体的に考えてみましょう。「S&P500」という米国ETFのトータルリターンは年平均で約7%と言われています。年率トータルリターンとは、簡単に言うと、複利運用における年間実質利回りです。例えば、現在の1,000万円でS&P500ETFを購入し、配当などのすべてを再投資して、運用すると、30年後には約7,600万円になっている計算です。
これを不動産で実現しようとすると、「実質利回り25%以上の物件を1,000万円で購入し、かつ、修繕などの費用がまったく発生せず、購入価格の1,000万円で売却する」という、大変に厳しい条件をクリアすることが必要になります。
なぜこうなるかといえば、株などは、配当を再投資することで雪だるま式に収益が増える複利効果が利用できる一方で、不動産は単利でしか、収益が上げられないからです。

不動産投資の最大メリットは、借入金を使ったレバレッジ効果

上述したような不動産の特性やリスクを踏まえたうえで、それでも不動産を対象に投資を行うのは、金融機関から融資を受けてレバレッジを効かせた投資が行えるというメリットがあるからです。金融機関からの借入金で、何千万~何億円という物件に投資が可能になります。そうなると、不動産投資が単利でも、実質利回りが3%なら1億円の投資で300万円の利益を得ることが可能です。単純計算で30年後には9,000万円の利益が獲得できます。これは他の金融商品では考えられないことです。
現金は比較的リスクが低い株やETFなどに投資して、複利効果で増やすべきであり、一方、不動産投資では、借入によるレバレッジ効果で、現金よりも大きな収益を取るのです。不動産の価値は経年劣化しますが、下落幅の小さそうな高額物件を、借入を利用して購入し、家賃収入というインカムゲインを毎年得ながら、売却損の少ないタイミングで売り抜くという戦略も可能となります。

不動産を現金購入するメリット

もし、不動産を現金購入するメリットがあるとすれば、それは相続税対策でしょう。資産としての評価が、現金よりも下がる不動産を購入することで、相続税額を低く抑えることが可能になります。
不動産投資に興味を持った方の中に、「借りたお金で買うのは怖いから現金購入する」という方を見かけます。ところが、他の金融商品と比較、検討したうえで選択したとは到底思えないような、収益性の低い物件に投資されていることがあります。
不動産投資の最大のメリットは、金融機関からの融資が受けられることです。このメリットを利用するからこそ、大きなリターンが獲得でき、不動産投資が持つ潜在的なリスクを補うことができるのです。こうした特性を良く理解したうえで、不動産投資の判断をしていきましょう。