敷金と礼金、アパートオーナーとしての関わり方

私たちがアパートを借りるとき、家賃のほかに敷金・礼金を用意しなければならない物件が多いですよね。なかには敷金・礼金ゼロという物件もあり、初期費用を抑えたい人には嬉しいのですが、その後に支払う家賃が高くなることや退去時の費用が高くつく場合もあります。
これまで、アパートを“借りる側”として敷金・礼金と関わってきた私たちですが、逆にアパート経営を始める場合には、これらとどのように関わっていけば良いのでしょうか?

敷金・礼金っていったいなんだろう?

マガ男:僕たちがアパートに入居するとき用意する敷金や礼金って、どのようなお金なんでしょうか?敷金・礼金ゼロという物件もありますが、アパート経営をする側になった場合、敷金や礼金をもらわずに入居してもらうのは少し心配です。
タテ吉:まず、敷金には「部屋を借りている人が万が一、家賃を払えなくなった場合に備えて、預かっておく担保」という意味合いがある。お金を預かっておけることは、アパート経営者にとっても安心だね。このほかにも、部屋を貸している間に汚れたりキズがついたりして修理が必要な場合に備えて、敷金を預かっておくというケースもあるね。
マガ男:では家賃を滞納しなかったり、修理の必要がなかった場合には、そのお金は返してもらえるということですか?
タテ吉:そういうことになるね。

礼金は「部屋を貸してくれることへのお礼

タテ吉:礼金はその名の通り「お礼」という意味があって、部屋を貸してもらうことのお礼として包むものなんだ。戦後、日本では空襲で焼け野原になってしまい、住宅が不足していたんだね。そのときに、「部屋を貸してくれるお礼」として包んだものが、礼金の起源だと言われている。
マガ男:それなら、礼金として支払ったお金は退去するときには返還してもらえないのですね。
タテ吉:その通り。しかし、敷金に関しては「退去時に敷金を返還してもらえなかった」とトラブルになるケースが増えているので、アパートオーナーとしても注意が必要だ。

敷金と礼金の設定はどうすれば?

マガ男:敷金と礼金というのは、どのくらいに設定すればいいのでしょうか?僕がアパートを借りるときには「敷金が家賃の2カ月分」「礼金はなし」など、物件ごとにさまざまな設定があったように思います。
タテ吉:アパートの経営戦略にも関わってくることなので、「何カ月分にしなければならない」とは一概に言えない。ただ、まったくのゼロにしてしまうこともリスクが大きいんだよ。

敷金や礼金をなしにした場合に考えられるトラブルとは?

マガ男:もしも家賃を支払ってもらえない場合に、敷金を受け取っていないとトラブルになりそうだって言うのは、想像がつきます。でも、あまりにも高すぎる設定だと入居者が集まらない気もします。
タテ吉:そうだね。昨今では「礼金はなし、敷金のみ必要」とするケースが多い。マガ男君の言うように「家賃を滞納する人が現れた場合に、たちまち資金繰りに影響が出てくる」というトラブルが多いので、敷金までゼロにするのはデメリットが大きいんだね。

入居者との関係にも影響する敷金・礼金

タテ吉:敷金や礼金をゼロにすれば入居者が集まりやすいというメリットはあるけど、簡単に入居を決められるだけにアパートそのものへの愛着が少なく、せっかく入居しても短期間で退去してしまうという人が出てくる可能性がある。
マガ男:一時的には入居率を高めることができても、たとえば2年後の契約更新時に、また空室が出てしまう、という可能性が高くなりそうですね。
タテ吉:そうだね。そのとき簡単に入居者が集まってくれればいいけれど、頻繁に募集をかけなければいけないのは負担も大きい。それに、原状回復にかかる費用がアパート経営者の負担となることもあるんだ。

敷金・礼金の設定にあたって考えること

マガ男:では敷金・礼金はある程度の金額を設定した方がいいのですね。やはり周辺の物件などを調査して、相場を調べるということも必要でしょうか?
タテ吉:どうしても敷金・礼金を低く設定して入居者を集めたいのなら、入居者の属性についてしっかり調査して、収入が安定しているか、長く住んでくれそうかということを見極めて入居してもらう慎重さが必要だね。