中古物件購入時のローン返済期間とは

物件を購入するために融資を受ける場合、返済期間を何年に設定するのかは悩みどころです。一般的には「できるだけ長く」と考えられていますが、中古物件の場合には、築年数によって返済期間の上限が決まります。
具体的にどのような仕組みでローンの返済期間が決まるのか、解説してみましょう。

ローンの返済期間はキャッシュフローに影響する

マガ男:中古物件を購入して不動産投資をする場合、ローンの返済期間についても考えておかなきゃダメですよね?
タテ吉:そうだね。ローンには主に、融資額、金利、返済期間という3つの条件があって、それぞれ月々の返済期間に影響する。
マガ男:融資額や金利のことは一番に考えますけど、返済期間によっても月々の返済額が変わるんですね。
タテ吉:たとえば2000万円を金利2.0%で借り入れても、返済期間20年と30年では月々の返済額が大きく異なるよ。20年なら10万1,177円、30年なら7万3924円だ。
マガ男:うーん、3万円近くも違うとなると、家賃収入が同じなら、キャッシュフローは大きく違ってきますね。

返済期間の上限は法定耐用年数まで

マガ男:キャッシュフローのことを考えると、返済期間をできるだけ長く設定すれば黒字になりやすいということですね。
タテ吉:そうなんだが、貸し手である金融機関にとってはそれだけリスクが大きくなるから、通常は最長35年と定められている。さらに物件の工法によっても異なり、法定耐用年数が上限とされている。
マガ男:法定耐用年数というのはなんですか?
タテ吉:主に減価償却費を計算するために、物品が使用に耐える年数として、国税庁が定めている期間だ。法定耐用年数が過ぎたら、その物品の価値は帳簿上1円になる。
マガ男:建物については工法によって法定耐用年数が異なるということですね?
タテ吉:その通り。RC造なら47年、鉄骨造34年、木造22年となっている。

中古物件の場合は残存耐用年数が基本

マガ男:築後、年数が経っている中古物件の場合には、ローンの返済期間について、どのように考えたらいいのでしょう?
タテ吉:中古物件の場合は、法定耐用年数の残り期間(残存耐用年数)がローン返済期間の上限となる。ただし、残存耐用年数の求め方は2通りあるので、覚えておいてほしい。
【減価償却費の計算に用いる残存耐用年数の計算式】
 法定耐用年数を経過した物件の場合:残存耐用年数=法定耐用年数×20%
 法定耐用年数をまだ経過していない物件の場合:残存耐用年数=法定耐用年数-経過年数+経過年数×20%
【金融機関が用いる残存耐用年数の計算式】
 残存耐用年数=法定耐用年数-経過年数
マガ男:なるほど。たとえば築15年の鉄骨造物件なら、下記のようになるわけですね。
【減価償却に用いるための残存耐用年数】
 34年-15年+15年×20%=22年
【金融機関が用いる残存耐用年数】
 34年-15年=19年
タテ吉:ただし、金融機関はあと何年使えるのかを基準とする「経済的耐用年数」という考え方をするため、実際には銀行ごとに返済期間の上限年数は異なるケースが多い。

キャッシュフローと出口戦略で返済期間を決める

マガ男:説明いただいて、中古物件の場合の返済期間について、よく理解できました。それぞれ上限はあるけど、返済期間が長いほど、キャッシュフローが回りやすくなるため、基本的には長いローンの方が安心感が大きいと考えていいですよね?
タテ吉:うーん、そのあたりが不動産投資の奥が深いところなんだけど、必ずしもそうは言えない。返済期間が長いと、なかなか元金が減らないので総支払額が増えるという問題もある。
マガ男:そうか。残債が減らないと、売却が難しくなりますね。
タテ吉:売却額が残債を上回らないと、担保権を設定している金融機関がOKしてくれないからね。
マガ男:売却できないからと保有している間に、金利が上昇するなどのリスクもありますね。
タテ吉:したがって、単に長いほどいいと考えるのではなく、キャッシュフローと「何年後に売却するのか」という出口戦略を照らし合わせて、返済期間を決めるのが一番望ましい。

まとめ

マガ男:ローンの返済期間は不動産投資の成否を決める大きな要素なんですね。
タテ吉:その通り。キャッシュフローと出口に関わるので、慎重に決めたいところだ。また物件の築年数によって、最長の年数が決まるので、築浅を選ぶか築古を選ぶかという判断をするときにも、その物件なら最長何年まで返済期間を設定できるのか、考える必要があるよ。