不動産投資でよく聞く言葉「利回り」とは?

アパート経営を始めるとき、考えなければならないのが「1年でどのくらいの収入を得たいか」ということです。物件を選んだり、新築したりするときには「この物件でどのくらいの収益をあげられるか」を判断し、投資するかどうかを決めます。この判断を行うために、物件の「利回り」が大きなポイントとなります。

表面利回りと実質利回りってなんだろう?

マガ男:アパート経営を行うときには「どのくらい収益をあげたいのか」をまず検討して、経営方針を決めていくことが大切だ、ということが、これまでタテ吉さんとお話ししてきて理解できました。でも、「どのくらい」という部分は、どうやって計算していけばいいのでしょう?
タテ吉:アパート経営だけではなく、不動産投資や株式投資などもそうだけど、「利回り」という数値を意識していくことが大切だよ。利回りは「1年間にどのくらいお金が増えるのか」を計算するものだ。

表面利回り、実質利回りの違い

タテ吉:「表面利回り」とは、家賃をはじめとする年間に得られる収入を、物件価格で割る方法で求められるものだ。単に「利回り」と言う場合は表面利回りのことを指すことが多いし、物件の情報を掲載しているチラシやWebサイトでも、表面利回りが記載されていることが多い。
マガ男:なるほど。では実質利回りとはどのようなものですか?
タテ吉:年間に得られる収入から、年間の支出を全て引いた数値を求める。その数値を物件の取得価格で割るものが「実質利回り」だね。実質利回りは、実際にアパート経営者の手元に残るお金の割合を表したものだ。

表面利回りはどんなことに役立つ数値?

マガ男:表面利回りは、どのような形で投資判断に役立つのでしょうか?
タテ吉:たとえば、マガ男君が表面利回り10%を確保したいと思っている。そして毎月の家賃収入を30万円と仮定している場合、「30万円×12カ月=360万円」が年間収入だ。この年間収入を、表面利回りの10%で割り算すると、3,600万円という数値が出てくるね。この数値が物件の適正価格と考えられる。
マガ男:たとえば、今僕の目の前に3,000万円という物件を提示されているとしたら、3,600万円より安いですから、この物件で表面利回り10%が実現できるとしたら、割安物件ということになりますね。逆に、4,000万円の物件だった場合には割高ということになる。
タテ吉:そう。このように、「物件の割高感、割安感」を判断するのに、表面利回りは役立つんだ。

自己資金の運用効率をはかる「ROI」

タテ吉:投資家として意識したい数値がもう1つあるんだ。それは自己資金の運用効率をはかる「ROI(Return On Investment)」、つまり投資利益率だ。税引き前収入を自己資金で割ることで求められる値だよ。
マガ男:アパート経営では、アパートローンを借り入れることも多いですが、そのうち自己資金の部分について注目する値ですね。ROIの値は、大きければそれだけ投資効率が良いということになりますよね。
タテ吉:そうだよ。でも、ROIを高めることだけにこだわりすぎてはいけないんだ。ROIを高くしようと思えば、自己資金の投入割合を少なく、アパートローンの比率を高くすればいいのだけれど、この方法は経営上のリスクが高まる方法でもあるんだ。
マガ男:確かに、ローンを返済できなくなった場合のことを考えると、他に潤沢に資産があるなどの条件がなければ、アパートローンの比率を高くしすぎることは怖い気がします。

利回りがあまりにも高い物件にも注意が必要

タテ吉:中古物件を購入する場合にも、利回りが高い物件を選べばいいという場合ばかりではないんだ。
マガ男:えっ。利回りが高い物件を買えば、早くに資金を回収できる気がするのですが……。
タテ吉:まず、物件情報に掲載されている利回りは、満室の場合を想定した利回りということも多いんだ。本当に満室になるか、満室を維持できる物件かどうかということをチェックしなければならない。また、地方で築年数が経過してしまった物件も、計算の上では利回りが高くなってしまうことがあるんだ。
マガ男:地方の物件で、しかも築年数がかなり古いとなると、きちんとした経営ノウハウがある人でなければ成功が難しいかもしれませんね。
タテ吉:利回りやROIといった数値は投資判断を行う上で大事だけれど、それだけに頼りすぎない投資判断も重要だよ。