2018年の展望 不動産投資は物件力が問われる時代に?

新年を迎え、あちこちで今年の展望が語られています。株式相場では「戌笑う」といい、戌年はよい年とされるそうです。不動産投資にとっては同じく「笑う」年になるのか、2018年の動きを予想してみました。
過熱気味に推移してきた市場が昨年来、融資の引き締めを受けて一部では沈静化する様子も一部では見られており、目が離せません。

2017年は融資引き締めで一服感も

2017年は株式市場などに表れた好況に後押しされて、国内の不動産市場が盛り上がった年でした。東京23区内のマンション価格は、中古、新築とも前年比で上昇。9月に発表された基準地価においても、三大都市圏では軒並み3年連続で前年比プラスを記録しています。
一方、不動産投資に目を移すと、東京では賃料がやや下落したため、利回りの低下が見られました。また日銀が不動産投資の過熱に懸念を示すようになった結果、地銀の不動産投資向けローンが前年比でマイナスとなっています。
そういった金融面の沈静化を受け、貸家の住宅着工件数も2017年6月~10月期には前年比マイナスを記録しました。過熱気味だった不動産投資ですが、ここに来て一服感が出てきたと見ることができそうです。
ただし2018年は日経平均が年初から大きく上昇するなど、国内の景況感には依然として底堅いものが感じられます。

カギは世帯数増! 2018年は東京以外の大都市圏に注目

東京都心物件の価格が高騰し、利回りが低下する中、それ以外の地域に目を向ける投資家が増えています。金融機関の融資が厳しくなっているため、ローコストで購入できる地方物件に注目する人が増加しているのですが、2018年は近年のそんな流れがいっそう顕著になると予想されます。
とはいえ、需要のない地方物件への投資には空室リスクが伴います。そのため考え方のカギになるのは「世帯数の増加」です。住まいは1人あたりではなく、1世帯あたり1戸必要とされるので、人口が減少する地域であっても世帯数が増加する場合には需要が増えると考えられます。
首都圏にあり、2025年頃までは人口増が予測され、それに伴って世帯数も増えると考えられているさいたま市や、人口は減少傾向にあるものの、世帯数は増加している大阪市などは東京以外でも引き続き賃貸需要が期待できます。

物件タイプではラグジュアリー指向も

物件数が増えてきた地域では、物件の特徴による差別化が進むと考えられます。注目はラグジュアリー感のあるコンパクト物件です。通常、ワンルームマンション1戸あたりの専有面積は25平米程度までですが、最近では35平米を超える「コンパクトマンション」が登場しており、人気を集めています。
アパート投資の主な対象層である若年層の中には、一人暮らしを始める際にも、部屋の広さや仕様、設備などにこだわる方もいます。
そのため従来のワンルームよりやや広く、設備等が充実したラグジュアリーなコンパクトマンションの人気が高まっているのです。またそういった物件は新たなターゲット層として注目されているディンクス層や高齢者層の需要も見込めます。
婚姻率の低下、少子化、単身高齢者の増加を受け、物件供給が一服しそうな2018年からラグジュアリーなコンパクトマンションの提供が本格化し、今後長くトレンドになると考えられます。

盛り上がりが期待される新形態の投資

クラウドファンディングなど、新しい形態の不動産投資については、2018年も右肩上がりの盛り上がりが期待されています。融資型クラウドファンディングは拡大基調で推移しており、2018年には1000億円の大台にのるとの予想もあります。
また2018年は民泊新法がいよいよ施行される年です。6月に施行されるこの法律により、これまであいまいだった取扱が明確化されることで、社会への本格的な定着が進むでしょう。
同じく、シェアリングエコノミーの代表格とされるシェアハウスも、近年急速に増加してきました。高齢者に特化したシェアハウスなど、個性的な物件が増える中、2018年も拡大基調が続くと予想されます。
これまで、金融機関の積極融資に頼って急拡大してきた不動産投資市場が、2018年に入って調整局面を迎えることは多くの人が予想しています。そんな中、エリアや形態によってはさらなる拡大が期待されており、2018年は盛り上がるものとそうでないものが分かれる二極化の年になると考えられます。